都知事選、過去最多の22人が立候補 各候補者が第一声

2020東京都知事選挙

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 東京都知事選が18日、告示された。新型コロナウイルスの感染収束にめどが立たない中で、オンラインでの第一声や街頭で握手を控えるなど異例の選挙戦となる。防災や子育てといったこれまでの課題に加え、コロナ禍で沈んだ首都の経済をどう立て直し、「ポストコロナ」の姿を描くのか。17日間の論戦が始まった。

17:00

立候補締め切る

 東京都知事選の立候補が締め切られた。都選挙管理委員会によると、候補者は計22人で確定。前回2016年の21人を上回り過去最多となった。

13:00

立候補22人で過去最多に

 東京都選挙管理委員会によると、都知事選の候補者が午後1時時点で22人に上った。前回2016年の21人を上回り、過去最多となった。

11:30

18人が立候補届け出

 18日に告示された東京都知事選に、午前11時現在で現職・新顔の18人が立候補を届け出た。

11:00ごろ

小野泰輔氏「コロナに勝てる都知事、誰なのか訴えたい」

 「新型コロナ感染の抑え込みが、一番うまくいっていないのが東京。コロナに勝てる都知事、その後の東京を発展させられる都知事は誰なのかを訴えていきたい」

 元熊本県副知事の小野泰輔氏(46)は午前11時ごろ、新宿区歌舞伎町一番街で第一声を上げた。歌舞伎町では「夜の街」関連の新型コロナウイルスの感染者が相次ぎ、「都の新型コロナ対策が最も行き届いていない場所」として告示日に訪れることにしたという。

 副知事の任期満了を18日後に控えた今月2日、都知事選への立候補を表明。主要政党が独自候補者を擁立できない情勢が強まる中、「無風状態に一石を投じ、議論を巻き起こさねばと感じた」と話す。

11:00

立花孝志氏「コロナ第2波に向けて都債発行」

 NHKから国民を守る党党首の立花孝志氏(52)は午前11時、新宿・都庁近くで第一声を上げ、「今回の争点はコロナの問題。必ず来る第2波に向けて、都債を発行して対策を取る」と訴えた。夕方以降は、渋谷駅前で街頭演説をする。

 知事選では、新型コロナや経済対策など、実業家の堀江貴文氏による都への緊急提言を具体化したかったという。その思いで設立した政治団体「ホリエモン新党」公認による立候補となった。告示日前日の17日にあった共同記者会見では、「いき過ぎたコロナ自粛に反対するために立候補を決めた」と出馬の理由を語った。

10:00ごろ

山本太郎氏「生きていていいと、思える東京に」

 れいわ新選組代表の山本太郎氏(45)は、新宿駅南口近くで第一声を上げ、「新型コロナを災害として認定して、都民の暮らしを底上げする」「あなたが生きていていいんだと、思える東京にしたい」などと訴えた。

 れいわ新選組を立ち上げて臨んだ昨年7月の参院選では、2議席を獲得。山本氏自身は落選したものの、比例区の候補では最多の99万超の個人票を集めた。

 今回の知事選でも当初から出馬の可能性が取りざたされていた。だが、立候補を表明したのは告示3日前の15日とぎりぎりの決断となった。新型コロナの影響で住まいを失い、途方に暮れている人々を目の当たりにして、「いま目の前で困っている人たちの生活を底上げする」と出馬への決意を固めたという。格差や貧困問題などを前面に押し出す姿勢は、参院選と変わらない。

10:00

宇都宮健児氏「都民の『生存権』がかかった選挙」

 「都民一人ひとりの『生存権』がかかった選挙。命と暮らしを守る都政が求められている」

 元日弁連会長の宇都宮健児氏(73)は午前10時、新宿区の都庁舎を背に第一声をあげた。「都政を変える宇都宮さんにふさわしい場所」。支持者からの意見を踏まえ、告示日のスタート地点に選んだ。「都民の命や暮らし、人権を重視する社会にしなければならない」と訴えた。

 都知事選出馬は3度目。2014年に落選後、都議会の傍聴を7年間続ける。韓国や北欧の都市を訪ね、あるべき都の政策を練ってきた。これまでも都民の命や暮らし、人権より経済効率性が優先されていると感じてきたが、「新型コロナ災害でそんな社会の脆弱(ぜいじゃく)性があらわになった」。

 これまで活動をともにしてきた支持者らを中心に選挙運動にあたり、立憲民主や共産、社民の支援を受ける。夕方には立憲民主の枝野幸男代表らと街頭に立つ。

09:30

小池百合子氏「一緒に『新しい東京』を」

 「都民の命を守り稼ぐ東京、人が輝く東京、都民ファーストの視点での行財政改革、構造改革を進めてまいります。一緒に『新しい東京』をつくりましょう」

 現職の小池百合子氏(67)は午前9時半に自身の公式ホームページ上に動画を配信し、そう訴えた。また、「都民の未来を守るため、私は闘いつづけます」と語った。その後、公務で都庁舎に姿を見せ、報道陣に「都民の都民による都民のための都政を確立していきたく改めて都民のお力を頂戴(ちょうだい)したい」と話した。

 小池氏は、選挙期間中も新型コロナウイルス対策を最優先し、街頭での演説はしない方針を示している。告示日の18日も夕方まで公務にあたる予定だ。

有権者に聞いた私の争点

 新型コロナウイルスの対応に東京五輪パラリンピック、子育て支援……。都政の課題が山積するなか、有権者は都知事選で何を重視するのか。

「医療体制の充実を」

 新宿の都庁前では18日朝からさっそく、候補者の街頭演説が始まった。新顔候補の演説を聴いていた江戸川区の看護師、渡辺暢子さん(68)は「医療体制を充実させ、安心して暮らせる政治をしてくれる人を選びたい」と話した。

 新型コロナウイルスの感染者の治療にあたっている看護師の友人から、マスクや防護服が不足し、使い回しているケースがあったと聞かされた。自身が勤める福祉施設でも、集団感染が起こらないかと不安だったという。「現場は責任感だけで治療にあたっている。医療従事者が感染リスクにさらされないような医療体制をつくってほしい」

「弱い立場の人の味方に」

 タワーマンションが林立する東京・晴海地区。東京五輪・パラリンピックの選手村が建てられたが、大会は1年延期された。選手村の近くを散歩していた鈴木勝也さん(76)は都知事選のポスター掲示場前を通りかかり、「目立つからといって五輪を無理して開催するよりも、光のあたらない人たちを支援できる候補者を選びたい」と話した。

 還暦まで築地市場の仲卸で働き、今は近くのアパートで年金暮らし。海沿いの空き地には次々とマンションが建てられ、築地市場の跡地は五輪開催時の駐車場になるなど、風景は様変わりした。「コロナで貧富の差がさらに激しくなったように感じる。新しい都知事には、ひとり親だったり、職を切られたり、弱い立場の人の味方ができる人になってほしい」

「子育て環境を整えて」

 三鷹市の会社員、古川優子さん(40)は18日朝、2歳の娘を保育園に預けるため、ベビーカーを押していた。アパレル関係の仕事をしているが、抱きかかえていた5カ月の息子も一緒に預けられる保育園が見つけられるまでは仕事に復帰できないと気をもむ。都知事選では子育て世代への施策に注目する。「働きながら子育てできる環境を整えてほしい」と話した。

「多摩格差、広がるばかり」

 昨秋の台風19号では、都内でも各地で被害が出た。奥多摩町で飲食店を営む舩越章太郎さん(54)は、自宅のある山間部の日原(にっぱら)地区が路面の崩落で孤立状態となり、仮住まいを続けてきた。復旧作業が続くなか、コロナ禍で町から観光客が消え、店の売り上げは激減したという。

 4年前、多くの候補者が都心部との「多摩格差」解消を訴えたが、「実際は格差が広がるばかり」と感じる。インターネットで候補者の訴えに耳を傾けた。「都心部に偏らず、隅々まで目配りのできる人に投票したいですね」

「被災者に援助を」

 八王子市上恩方町の福田忠さん(71)の自宅も、裏山から押し寄せた土砂で損壊。今月初めに半年ぶりに自宅に戻ったが、裏山と自宅との間の畑にたまった土砂や流木の撤去はほとんど手つかずだ。18日朝は自宅で知事選のニュースを見て「今回はコロナで、多くの人が選挙どころじゃないよね」と心配しつつ、都知事に望むこととして「被災者をもっと身近に思い、できるだけの援助をしてほしい」と語った。

08:30

届け出始まる

  立候補の届け出は午前8時半に始まった。続々と立候補の届け出があり、れいわ新選組代表の山本太郎氏(45)、現職の小池百合子氏(67)、元日弁連会長の宇都宮健児氏(73)、元熊本県副知事の小野泰輔氏(46)が立候補した。NHKから国民を守る党党首の立花孝志氏(52)も立候補する予定。

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