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 新型コロナウイルスの流行による国境閉鎖で、世界の物流を支える外国人船員が上陸できない状況が続いている。シンガポールなど主要港では船員交代の動きも出ているが、国連は下船できない船員が世界で最大20万人にのぼるとして、各国に対応を求めている。

拡大する写真・図版世界有数の船の交通量を誇るシンガポール。海岸からは多くの停泊中の船が目に入る=5月31日、西村宏治撮影

 6月12日午後、シンガポールのチャンギ空港には、白い防護服に身を包んだインド人の男性たちが続々と集まってきた。この日、シンガポール沖に停泊中の船を下りた船員たちだ。

 「多くの国で上陸しようとしたが、できなかった。いつ下船できるかわからず、ストレスは大きかった」。南アフリカからマレーシアを経由してきたタンカーの船長、ラビ・ナガールさん(40)は、そう振り返った。4カ月契約で船に乗り込んだが、結局約8カ月を船上で過ごしたという。

 「家に帰れると思うと、とてもうれしい。3歳半の長男にものすごく会いたい」。インドは国際定期便の離着陸を禁止しているため、船員の派遣などを担う船舶管理会社が用意したチャーター機で到着した船員と交代。同機でインドへ飛び立った。

拡大する写真・図版6月12日、シンガポールのチャンギ空港に到着した船員たち=西村宏治撮影

 シンガポールは新型コロナの感染拡大を受け、3月下旬に政府が外国人の入国を原則禁止。船員も病気の場合などを除き、上陸できなくなった。

 船員の勤務が長期化したことや、国内での感染が落ち着いてきたことなどから、5月下旬に規制を緩和。上陸後、空港に直行して出国するなどの交代の手順を定め、6月に入って運用を始めた。海事港湾庁は12日までに500を超える船からの4千人超の交代を認可。クァ・レイフーン長官は「シンガポール沖での長期停泊を促すことはない。基準に合う交代は進めていく」と言う。

 それでも課題は残る。船舶管理会社エグゼクティブグループのB・S・ティーカ最高経営責任者(CEO)は「船員は上陸後、特別なバスで空港に直行して出国するので、船の到着と飛行機のスケジュールを合わせるのが難しい。費用も課題だ。船員たちが世界の物流を支えていることを理解してもらい、世界の多くの港で交代が進むことを期待している」と訴える。

 船員交代を巡っては4月以降、…

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