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 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛は、化粧品ビジネスにも大きな影響を及ぼした。市場や働き方の変化について、資生堂の魚谷雅彦社長に聞いた。

 日本の化粧品市場は、国内需要とインバウンド需要の両方で伸びてきました。新型コロナで大きな打撃を受けましたが、中国では3月後半から徐々に需要が戻っており、4、5月にはネット通販や店頭も含めて大きく伸びています。

 中国での新たな動きとしては、ライブストリーミングがあります。店員さんがユーチューバーのようにライブ動画で商品のことを語り、それを見たお客さんがネット上で商品を買っている。弊社のビューティーコンサルタント(美容部員)も堂々と出演して、売り上げに貢献してくれました。日本でもぜひやりたいと考えています。

 商品需要にも変化があります。新型コロナでマスクをするようになったため、口紅などは市場が縮小しています。一方で健康や食生活、睡眠に気をつけるようになり、スキンケアへの需要は高まっています。

 日本でも店舗の営業が再開されましたが、店頭ではなるべく時短や交代制にするなどして、従業員が人と接触する時間を減らしていきます。オフィスの方も在宅勤務を基本とし、出社率は最高で5割を目標にしています。実際に5割を下回っています。

 根本的に大切なのは人事評価制度です。来年1月から一般社員3800人をジョブ型の人事制度に移行します。「この仕事は何が必要か」を細かく説明し、一番ぴったりあう人を配置します。

 ジョブ型はよく成果主義と言われますが、それは短絡的で、究極の適材適所です。男性、女性、若い人、外国人、外部の人でも、ぴったり合う人ならいい。ダイバーシティー(多様性)につながります。果たすべき役割がしっかり決まっていると、会社に来なくても仕事ができるようになるんです。(聞き手・栗林史子)