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 文化庁は19日、地域の特色や歴史、文化財などを織り込んだ「ストーリー」を認定する「日本遺産」に、「霊気満山(れいきまんざん) 高尾山~人々の祈りが紡ぐ桑都(そうと)物語~」(東京)など21件を新たに認定し、発表した。日本遺産の認定は2015年度から始まり、今回で計104件。文化庁は新たな認定は当面しない予定だ。

 日本遺産は有形・無形の文化財を生かした地域活性化を狙い、政府が始めた事業。市町村が中心となり、地域の歴史や特色を物語る「ストーリー」をまとめ、地域活性化の計画と共に申請する。認定後3年間は、観光客の受け入れ環境の整備などのための、補助金が利用できる。今回は69件の申請があった。

 認定件数が目標を超えたため、文化庁は当面、新規認定の募集はしない予定だ。一方、新たな認定を望む自治体もまだ多く、すでに認定された地域では取り組みに温度差が出ているという課題もある。認知度にも課題があり、今年1月に文化庁が実施したアンケートでは、参加した4700人のうち3割が「日本遺産という言葉を耳にしたことがない」と回答したという。文化庁ではこうした課題を踏まえ、今後、専門家に事業のあり方を議論してもらうという。

 ほかに新たに認定されたのは以下の通り。

 「『鮭(さけ)の聖地』の物語~根室海峡一万年の道程(みちのり)~」(北海道)▽「“奥南部”漆物語~安比(あっぴ)川流域に受け継がれる伝統技術~」(岩手)▽「日本ワイン140年史~国産ブドウで醸造する和文化の結晶~」(茨城、山梨)▽「かさましこ~兄弟産地が紡ぐ“焼き物語”~」(栃木、茨城)▽「究極の雪国とおかまち―真説!豪雪地ものがたり―」(新潟)▽「海を越えた鉄道~世界へつながる 鉄路のキセキ~」(福井、滋賀)▽「甲州の匠(たくみ)の源流・御嶽(みたけ)昇仙峡(しょうせんきょう)~水晶の鼓動が導いた信仰と技、そして先進技術へ~」(山梨)▽「月の都 千曲―姨捨(おばすて)の棚田がつくる摩訶(まか)不思議な月景色『田毎(たごと)の月』―」(長野)▽「レイラインがつなぐ『太陽と大地の聖地』~龍(りゅう)と生きるまち 信州上田・塩田平~」(長野)▽「日本初『旅ブーム』を起こした弥次(やじ)さん喜多さん、駿州の旅~滑稽本と浮世絵が描く東海道旅のガイドブック(道中記)~」(静岡)▽「京都と大津を繫(つな)ぐ希望の水路 琵琶湖疏水~舟に乗り、歩いて触れる明治のひととき」(京都、滋賀)▽「女性とともに今に息づく女人高野~時を超え、時に合わせて見守り続ける癒(いや)しの聖地~」(大阪、奈良、和歌山)▽「『伊丹諸白(もろはく)』と『灘の生一本』 下り酒が生んだ銘醸(めいじょう)地、伊丹と灘五郷」(兵庫)▽「もう、すべらせない!!~龍田古道の心臓部『亀の瀬』を越えてゆけ~」(奈良、大阪)▽「『葛城修験』―里人とともに守り伝える修験道はじまりの地」(和歌山、大阪、奈良)▽「中世日本の傑作 益田を味わう―地方の時代に輝き再び―」(島根)▽「石見(いわみ)の火山が伝える悠久の歴史~“縄文の森”“銀(しろがね)の山”と出逢(あ)える旅へ~」(島根)▽「『ジャパンレッド』発祥の地―弁柄(べんがら)と銅(あかがね)の町・備中吹屋(びっちゅうふきや)―」(岡山)▽「砂糖文化を広めた長崎街道~シュガーロード~」(長崎、福岡、佐賀)▽「八代(やつしろ)を創造(たがや)した石工(いしく)たちの軌跡~石工の郷(さと)に息づく石造りのレガシー~」(熊本)(丸山ひかり)