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 殺人など裁判員裁判になる事件で警察が行っている取り調べの録音・録画(可視化)の2019年度の実施状況を警察庁が18日、発表した。対象事件の97・5%の3962件で容疑者逮捕後の可視化を実施。全ての過程を可視化したのは94・2%にあたる3828件で、前年度の87・6%から伸びた。対象事件の可視化は改正刑事訴訟法の施行で19年6月に義務づけられたが、それ以降も可視化しない誤りが14件あった。

 自白が冤罪(えんざい)につながった事件なども教訓に、警察は08年度から可視化の試行を開始。対象を順次広げ、13年度から全過程の可視化も進めてきた。

 改正刑訴法施行の19年度は対象事件のうち、全く可視化しなかったのが100件、一部しなかったのが134件あった。この計234件のうち210件は、容疑者の拒否や容疑者が暴力団員といった法が定めた例外にあたるが、残り24件は本来は全過程を可視化しないといけない事件だった。内訳は「機器の操作ミスや記録媒体の容量不足など」が20件あり、「捜査員が対象事件でないと誤認」が4件で、対象犯罪の未遂事件も可視化対象なのに対象外と思い違いしたケースなどがあるという。

 誤りは18年度の93件から24件に減少したとはいえ、うち14件は昨年6月の義務化後に起きている。ただ、警察庁は、可視化しなかったために供述調書が証拠上問題になるなど、捜査や裁判に影響が出たケースはなかったとしている。

 一方、義務化の対象ではないものの可視化している事件もある。警察庁によると、事件の重大性などから必要性を判断しているという。同庁はその数や内容を明らかにしていないが、関係者によると、19年度は数十件で実施しており、殺人など対象事件の任意段階の調べが多いとみられる。

 また、刑訴法に基づく義務ではないものの警察が可視化の対象にしている知的障害や精神障害などがある容疑者の取り調べでは、前年度の約1・5倍の7747件で実施された。

 警察庁の松本光弘長官は18日の定例会見で、「録音・録画は捜査現場に定着してきている。機器の誤操作などがないよう引き続き指導するとともに、捜査員の取り調べ技能の向上を推進していく」と述べた。(編集委員・吉田伸八)

■ミス撲滅、幹部の役割…

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