軽トラの下から「おーい」の声 高校生、3歳児を救出

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渡辺七海 奥正光
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 行方不明になっていた3歳の男児を見つけたとして、熊本県警熊本南署は18日、熊本市に住む松橋高校3年生、吉村徐●(又の下に土)(じょしょう)さん(17)に感謝状を贈った。

 2日午後8時15分ごろ、男児の両親が「子どもが家からいなくなった」と110番通報をした。署は機動隊とあわせ20人以上を動員。同市南区の男児の自宅付近を捜索したが、見つけられずにいた。

 吉村さんはこの日夜、自宅でテレビを見てくつろいでいた。午後10時ごろ、弟の友人が「男児が行方不明になっている」と知らせに来た。男児の家は近所で、遊ぶ姿を時折見かけていた。驚いてライトを手に父親と捜索に出た。

 「親が子どもを失ったら一生後悔する」。吉村さんはそう思って1時間あまり歩き回ったが見つからず、自宅に戻ろうとした。

 そこへ、「おーい」と声が聞こえた。「どこにいるの?」。吉村さんが返すと、「ここにいるよ」。声がしたあたりを捜すと、男児が軽トラックの下に仰向けの状態でいるのを見つけた。車の下にいたからか、顔や着ていた体操着は汚れていた。吉村さんは手で男児の顔の汚れをふきとり、「一緒に手をつなごうか」と声をかけて歩き出した。

 午後11時半ごろ、男児を自宅付近へ送り届けた。両親は涙を流し、男児を抱きしめたという。「人の役に立てて良かった」

 男児の声が聞こえる直前、吉村さん親子は受験の話をしていたという。「自分たちの話し声で存在に気付いて、声をかけたのでは」と振り返る。

 開田哲生署長は「警察でも捜したが見つからず、非常に危険な状況だったと思う。夜間の捜索ということで、お父様と一緒になって捜されたという判断も本当に適切だったと思います。ありがとうございました」と述べた。(渡辺七海)

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