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 5月に廃止され、約130年の歴史に幕を下ろした福岡県大牟田市の「炭鉱電車」を後世に伝えようと、市出身の藤原義弘さん(61)が「写真でたどる三池炭鉱専用鉄道の略歴と機関車」を自費出版した。解説付きの貴重な資料や自ら撮影した写真で、日本の近代化を支えた石炭を運搬し続けた炭鉱電車の歴史と魅力をわかりやすく紹介している。

 藤原さんは現在、春日市在住で筑紫野市の嘱託職員。その傍らで「NPO法人大牟田・荒尾炭鉱のまちファンクラブ」の理事を務めている。炭鉱電車の廃止が決定した後の4月に市民団体「炭鉱電車保存会」を設立し、代表に就任。「何とか動く形で炭鉱電車を保存したい」と考え、活動している。今回、自費出版に踏み切ったのは「炭鉱電車は一番古いもので廃止まで105年間も現役で活躍していた地域の宝。地元の人にその価値を知ってほしい」という思いからだという。

 冊子はB5判のフルカラーで113ページ。1976年1月から今年4月にかけて藤原さんが撮影した四季折々の炭鉱電車の姿を掲載。後半は1892(明治25)年ごろに撮影された炭鉱電車の前身の馬車軌道から、1912(明治45)年の本線の電化、さらには今年5月7日の運行終了セレモニーまで、資料写真で三池炭鉱と炭鉱専用鉄道の歴史を紹介している。

 藤原さんによると、1909(明治42)年の三池港開港式で1日だけ運行した客車付き特別列車や、1878(明治11)年製で釜石鉱山から三池炭鉱に譲渡された1号蒸気機関車の写真は特に貴重だという。(森川愛彦)

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 1千円(税別)。大牟田市内の書店や市の観光プラザなどで販売中で、インターネットによる通信販売にも対応している。販売の問い合わせはみらい広告出版(0944・31・3423)へ。