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 松江市の松江北高校と松江南高校の両女子ソフトテニス部による練習試合が14日、松江市内であった。新型コロナウイルス感染拡大で全国高校総体(インターハイ)や島根県高校総体が中止になり、目標が消えた松江北の3年生6人は、この試合を最後に引退することを決めた。

 5月末、松江南から「6月14日に両校で練習試合をしませんか」と声がかかった。対外試合が解禁になる見込みだったからだ。

 松江北は新人戦(団体)で県2位になり、1位の松江南とともに今年1月の中国大会に出場していた。インターハイ出場も見えてきていた。目標に向けチーム一丸となった矢先、コロナ禍の拡大で休校となり、インターハイと県大会の中止も決まった。

 何を最後に引退するべきか――。ライバル校からの誘いを受け、3年生6人が6月1日、話し合った。県内有数の進学校で、受験が控える。「決断しよう。14日を最後に3年生は引退だ」

 決断後の12日、県教委はソフトテニスの県大会の代替試合を7月24、25日に開催すると発表した。しかし、引退の判断が変わることはなかった。

 キャプテンの飛田明好香(あすか)さん(17)は「インターハイがなくなり心に穴が開いた。代替大会はインターハイにつながらない。受験に備えなければならない」。ほかの3年生もみな同じ気持ちだったという。

 昼過ぎから始まった「引退試合」は悪天候に見舞われた。

 会場の松江総合運動公園市営庭球場は水はけは良いが、雨脚が強くなるたびに中断。松江北は3年生6人を含む17人、松江南は3年生3人を含む13人が、ずぶぬれになりながらダブルスを戦った。しかし、雨に加え風も強くなり始めた午後3時半ごろ、やむなく両チームの顧問が中止を決めた。予定していた試合の4分の1程度しか消化できなかった。

 飛田さんは「新人戦で目標が出来てまとまった。常に緊張感のあるいいチームでした」。飛田さんとペアを組んだ山本夏織(かおり)さん(17)は「考える時間はたっぷりあった。ここで切り替えます」と話し、コートを去った。

 ミーティングルームでは顧問の内田勇貴教諭(25)がメンバーに「最後、雨でも粘って試合ができたことは良かったと思います」とねぎらった。内田教諭は保護者が作った記念の写真パネルをプレゼントされ、笑顔を見せた。

 松江南の3年生はもうしばらく部活動を続けるが、顧問の田辺晋教諭(54)によると、代替大会への出場を迷っている選手がおり、引退時期は未定という。(奥平真也)