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 南アルプス連峰の甲斐駒ケ岳にある山小屋「七丈小屋」が19日、2カ月半ぶりに営業を再開する。鳳凰(ほうおう)三山の「鳳凰小屋」も同日からスタッフが常駐し、本格的に営業する。新型コロナウイルス感染予防に気を使いながら、南アルプスの夏山シーズンが始まる。

 山梨県北杜市側から入る国内屈指の急登ルート、黒戸尾根上にある七丈小屋は、新型コロナ対策で4月上旬から休業していた。東京など首都圏との往来が解禁されるのに合わせ、登山者を受け入れる。

 感染予防のため予約制を徹底。小屋泊まりの客は当面8人に絞る。掛け布団は出さず、シュラフ(寝袋)を持参してもらう。寒くても定期的に換気する。テント場も予約制で、20張りまで。売店は営業しない。水場は使えるという。

 管理人で登山家の花谷泰広さんは「出発前に少しでも体調が悪ければ登山を控えてほしい。いつも以上に安全に注意することが大切だ」と呼びかける。「山の様子はいつもと変わらない。高山植物のイワカガミがきれいに咲いています」

 鳳凰小屋も通常は最大90人ほどを受け入れるが、当面10人に絞る。発症した人を隔離するテントも用意した。「雪も解けて新緑が美しい季節。いろんな花が咲いています」とオーナーの細田倖市さんは話す。

 一方、同じ南アルプス北部エリアでも、北岳や仙丈ケ岳の周辺では大半の山小屋が今季の休業を決めており、対応が分かれた。北岳の主要登山口、広河原に通じる県道や林道は閉鎖が続いており、当面、近づくこともままならない。

 金峰山や瑞牆山、甲武信ケ岳などが連なる奥秩父エリアでは、複数の山小屋が営業を始めている。日帰り登山やテント泊を中心に、にぎわいが戻ってきているという。(吉沢龍彦)