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 世界遺産を構成する高野山(和歌山県高野町)へ通じる「町石道(ちょういしみち)」(国史跡)が、12カ所にわたって無断で掘り返されていたことがわかった。管理する和歌山県かつらぎ町教育委員会が18日、県内の80代の男が関与した疑いがあるとして、文化財保護法違反容疑で県警に告発し、発表した。

 町石道は、同県九度山町の慈尊院から高野町の高野山へ続く約24キロの山道。距離を表す単位「町」(109メートル)の間隔で石柱「町石」が216基立ち、高野山への参詣(さんけい)道として人気がある。

 かつらぎ町教委によると、5月21日に情報が寄せられ、町内12カ所で町石道が掘られ、周囲に土が盛られたり石が積まれたりしていた。目撃情報から男が浮かんだという。国史跡で土を掘り返す文化庁の許可は下りていなかった。

 掘削を目撃したという町内の男性は、5月9日にこの男がくわで地面を掘る様子を見た。「排水をよくするために」などと説明されたという。県警は男から事情を聴いている。

 かつらぎ町教委の池田八主雄(やすお)教育長は「町民のみならず世界の財産を毀損(きそん)されたことは遺憾。今後、県や文化庁と協議して元通りにしたい」と話した。