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 漆黒に輝く天目茶碗(ちゃわん)に、華やかさと繊細さを併せ持つ桃山陶――。時代ごとに好みや価値観が変化し、バリエーションも広がった茶陶の世界を実感できる展覧会が関西各地で開催中だ。新型コロナウイルス禍で落ち着かない夏だが、たまには美術館で涼みながら歴史的名品に心を許し、一服してみてはどうだろう。

 天目とは中国の建窯(福建省)や吉州窯(江西省)で作られた黒釉(ゆう)の茶碗。中世の上流階級や茶人に唐物(からもの)としてもてはやされた。大阪市立東洋陶磁美術館の「天目――中国黒釉の美」(11月8日まで)には、壺(つぼ)や水注(すいちゅう)も加えて精選された24点が集う。

 目玉はやはり、同館が誇る油滴(ゆてき)天目(国宝)か。焼成過程で生じた銀色の粒が表面を余すところなく覆う、名品中の名品だ。漆黒に虹色の斑文が星々のごとくきらめく様は、器という空間に閉じ込められた無限の小宇宙を思わせる。回転台に載せて360度刻々と変わる輝きを楽しむ趣向に加え、見込みをのぞき込めるよう踏み台も用意したので、これまで気づかなかった美を再発見できるかも。

 表面に葉脈を焼き付けた木葉(…

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