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 新型コロナウイルスの感染者が増える「拡大期」と、減っていく「収束期」の長さは人口密度に比例するという解析結果が出たと、名古屋工業大(名古屋市)の研究チームが17日、発表した。感染防止のために人との距離を2メートルほどあける「ソーシャルディスタンス」(社会的距離)は人口密度と関係が深いとして、「ソーシャルディスタンスの維持は今後も重要だ」と指摘している。

 チームは、1日の最大の新規感染者数が10人以上だった都道府県のうち19都府県(東京、神奈川、千葉、埼玉、静岡、愛知、岐阜、大阪、京都、兵庫、福岡、沖縄など)を対象に、政府の緊急事態宣言が解除された5月25日までの感染者のデータを使い、人口密度や気温、湿度などとの関連を調べた。その結果、人口密度が高くなると拡大と収束の期間がそれぞれ長くなる傾向が判明した。高温や多湿も弱い関連があったが、人口密度との関連が強かったという。

 チームの平田晃正教授(医用工学)は「精度の高い予測技術が開発できれば、次の感染拡大時や、ほかの感染症についても対応できる」と話す。愛知県では、人口密度から予測した感染者数に比べ、実際の感染者数は半分ほどだったという。平田教授は、名古屋市で2~3月にスポーツジムや高齢者施設に関係するクラスター(感染者集団)が発生したことを挙げ、「象徴的な二つのクラスターによって、啓発や対策がなされたために少なかったのではないか」と推測している。(木村俊介)