拡大する写真・図版国立民族学博物館の広瀬浩二郎准教授=2018年、大阪府吹田市

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 新型コロナウイルスの接触感染を防ごうと、博物館では「さわる展示」を控える動きがあります。このまま、さわらなくてもいい社会に突き進んでしまわないか。さわることの大切さを訴えてきた全盲の文化人類学者、広瀬浩二郎・国立民族学博物館准教授は心配しています。私たちが抱くおそれこそ、社会が「触覚」をおろそかにしてきた結果だと言います。

ひろせ・こうじろう 1967年、東京都生まれ。専門は触文化論、日本宗教史。誰もが楽しめる「ユニバーサル・ミュージアム」のあり方を研究し、展示も手がける。13歳の時に失明した視覚障害者でもある。

 ――電車のつり革や公園の遊具など、私たちは「さわること」に敏感になっています。さわることで深く知る「触文化」を提案してきた立場として、どう受け止めていますか。

 3密を避けろと言われる中で、さすがに積極的に「さわって」とは言いにくいなと感じています。人類が「さわること」にこれだけ神経を使うのも、有史以来初めてではないでしょうか。

さわれない今は「さわるマナー」を

 ――博物館の「さわる展示」も、接触感染を防ぐため、控える動きがあります。日本博物館協会もガイドラインで「さわる展示」は原則しないようにとの指針を出しました。

拡大する写真・図版原爆後の火災で変形した「サイダー瓶」。普段はさわれるが、透明なフィルムで覆われ「さわらないでください」との注意書きが掲示されている=2020年6月1日午後3時40分、長崎市の長崎原爆資料館

 ガイドラインでも「さわる展示」はマイナスのものとされているようですね。実は私も今秋、「触覚」の可能性を知ってもらう特別展を開く予定でしたが、1年の延期が決まりました。研究の集大成と位置づけていたのでショックですが、今は「さわるマナー」の普及にじっくり取り組む機会が与えられたと思っています。

 ――「さわるマナー」とはなんでしょうか。

 展示物をさわるときは、次の人…

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