国会での首相説明、与党は応じず 河井夫妻買収容疑
河井克行容疑者と妻の案里容疑者が公職選挙法違反(買収)容疑で逮捕された事件で、国会では19日午前、真相究明を求める声があがった。野党側は閉会中の審議で安倍晋三首相が直接説明するよう求めたが、与党側は応じなかった。
立憲民主党の安住淳国会対策委員長は、自民党の森山裕国対委員長と国会内で会談。河井夫妻の逮捕を受け、首相が出席する予算委員会の集中審議を開くよう求めた。森山氏は「前例がない」として応じなかった。両氏は、19日午後に衆院法務委員会の理事懇談会を開き、法務省の担当者から事件についての報告を受けることでは一致。参院でも法務省から同様に話を聞くことになった。
安住氏は記者団に、「前法相が逮捕されるという極めて異例な事態」と指摘。自民党本部が参院選で案里議員側に支給した1億5千万円について「買収にお金が使われたとなれば、ますます説明責任を求められる。答えられる人は自民党総裁である首相しかいない」と述べた。森山氏は「同僚の議員が逮捕されることは遺憾だった。首相の任命責任は、首相が(18日の)記者会見で釈明している」と記者団に述べた。
この日の閣議後の記者会見では、閣僚からコメントが相次いだ。菅義偉官房長官は「選挙で選ばれた以上、自らの行動には自ら説明責任を果たしていかなければならない」とした。記者団から「首相はいつ説明責任を果たすのか」と問われると、「党として対応することになる」と応じた。
衛藤晟一沖縄北方相は「首相補佐官の時(同じく補佐官だった克行議員と執務する)部屋が隣だった。よもやこういうことが行われるとは思わなかった。捜査の推移を見守りたい」と述べた。(清宮涼)
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