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 19日午前7時過ぎ。宮城県石巻市にある石巻魚市場で、めったにない競りがあった。対象は、世界最大のカニ「タカアシガニ」。水深約200メートルの金華山沖で底引き網にかかった。

 漁協から連絡を受けて駆けつけた県水産技術総合センターの研究員、増田義男さん(41)は「日本一深い駿河湾(静岡県)の深海に多く生息する。宮城で揚がったのは聞いたことがない」。

 石巻までの500キロ、どうたどり着いたのか。小さい時に流され、ここで育ったのか。それとも、海水温の変化に合わせて自ら歩いてきたのか。静岡出身の増田さんの興味は尽きない。

 カニには1万円の値がついた。駿河湾の地元の沼津市には、タカアシガニの甲羅に鬼の顔を描いて魔よけにする風習があるという。「新型コロナの悪影響を吹き飛ばしてもらいたいですね」と増田さんは言った。(岡本進)