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 新型コロナウイルスの感染拡大の「第2波」が収束へと向かい、地域間の移動や往来の自粛要請が19日に解除された北海道。一方で、感染拡大のリスクは消えず、「第3波」の懸念がつきまとう。いつ、どのような形で襲来するかはわからないが、鈴木直道知事が「必ず来る」と想定する第3波に、北海道や札幌市はどう備えようとしているのか。(斎藤徹、松尾一郎、芳垣文子)

 「第2波をしっかり抑え込むと同時に、第3波以降にしっかり備えていかなければならない」

 鈴木知事は18日夜の記者会見で、こう力を込めた。

 北海道は全国に先駆けて、中国由来とみられる2月下旬からの第1波、欧州由来とみられる4月初旬からの第2波という二つの波に襲われた。第2波では、一時、患者数が病床数の限界に迫る医療崩壊の危機にも直面した。

 だが、6月以降の1日あたりの新規感染者は10人以下で推移する。19日は3人で、感染者数は延べ1192人、死者は計94人となった。鈴木知事は「第2波は一定程度抑え込めており、収束に向かいつつある」という認識だ。

 北海道は、この小康状態の期間を使い「第3波」以降の感染拡大に備えた体制を整えることにしている。

 第3波は、いつ、どのような形で襲来するのか。

 鈴木知事は「正直、分からない」と認める。いまも感染経路が分からない新規感染者が見つかっており「数字上は見えていない感染が広がっている可能性がある」との見方も示す。

専門家「往来復活で感染リスク大」

 専門家の見方はどうか。

 札幌医科大の横田伸一教授(微生物学)も知事と同じく「見えないウイルスの動き」を危惧する。

 「札幌市でクラスター(感染者集団)が発生した昼カラオケと、同じような環境がほかにないとは言えない。ウイルスが病院や高齢者施設などに入り込んだとき、感染が一気に拡大して第3波となるおそれがある」

 一方、札幌医科大の當瀬(とうせ)規嗣教授(細胞生理学)は、国内の地域間往来の自粛要請の解除や、今後、徐々に進むであろう海外渡航制限の解除を心配する。當瀬教授は「人の往来が復活すれば、感染拡大の危険性が高まることは避けられない。空港などの検疫体制を強化してウイルスの流入を抑えることは可能だが、複数の国を経由してくる人など、把握が難しいケースもある」と警戒する。

 北海道医療大の塚本容子教授(公衆衛生学)は「条件さえそろえば第3波はいつ起きてもおかしくない」としたうえで、こう指摘する。「人の移動が活発化すれば、感染が広がるのは仕方がない。大きな波になるかどうかは、私たちの行動にかかっている」

     ◇

 北海道と札幌市は「第3波」にどのように立ち向かおうとしているのか。

 北海道は四つの柱を掲げている。①検査体制の充実②受け入れ病床や軽症者向けの宿泊療養施設の確保③集団感染に対応するための広域支援チームの編成④情報技術(IT)を使った感染ルートの調査――だ。

 このうち検査体制の充実は、感染者の早期発見のために急務となっている。

 北海道は、検体を採取するPCR検査センターの設置を進めている。すでに設置済みの札幌市、函館市、苫小牧市に加え、道内21の二次医療圏すべてに置く方針だ。1日あたりのPCR検査能力も、1500件以上に拡充する。検体が採取しやすく、結果がすぐに出る唾液(だえき)によるPCR検査もできるようにした。

 ただし、PCR検査センターの…

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