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 新型コロナウイルスの感染拡大のため、3カ月遅れで19日に開幕したプロ野球。無観客試合ながら、待ちに待った公式戦に各地のファンは喜びに浸った。パブリックビューイング会場やファンが集まる飲食店では、座席の間隔を空け、控えめに声援を送る「新しい生活様式」に沿った観戦スタイルで試合を楽しんだ。

 広島カープの本拠地マツダスタジアム(広島市)では、横浜スタジアムであるDeNAとの開幕戦のパブリックビューイングがあった。感染拡大防止のため、3万3千人収容のスタンドには、抽選で当たった約800人が来場。間隔を空けて席に座り、マスクの着用も義務づけた。

 広島県呉市の平本正義さん(32)は長女のほのかさん(9)とそろいの赤いユニホームと手作りマスクで応援。正義さんは「カープがない日常がこんなに寂しいとは思わなかった」。ほのかさんは先発出場した会沢翼捕手のファンで「絶対に勝ってほしい」。

 阪神タイガースを応援し、日本一早い優勝マジック「120」を掲げた兵庫県尼崎市の尼崎中央3丁目商店街。振興組合の寺井利一理事長は「コロナの影響で夜の飲食店の客足は落ち込んでいる。阪神が勝ち続けて、商店街に活気が戻れば」と願った。

 虎ファンが集まる神戸市兵庫区の「タイガースバーイレブン」では、入店前に検温と手の消毒をし、マスクを着けたまま大型スクリーンでテレビ観戦。得点が入っても恒例の「六甲おろし」は自粛し、拍手で喜び合った。試合は惜しくも敗れたが、先制本塁打を放った西勇輝投手のファンという会社員の渡辺久美さん(38)は「まだ初戦。チーム一丸となって絶対に優勝して」とエールを送った。

 オリックスは楽天を本拠地の京セラドーム(大阪市)に迎えての開幕戦。無観客試合のためドーム周辺はひっそりとしていたが、グッズショップには駆けつけたファンの姿も。大城滉二選手のタオルを買って家で観戦するという男性会社員(44)は「見に行けないもやもやは残るけど、スマホで選手の全力プレーが見られたら十分」と話した。

 ユニホーム姿でドーム内をのぞいていたのは、大阪市住吉区の高木哲朗さん(65)で、「ムードだけ楽しもうかなと来てみた」という。長年のファンで、確保していた今季のチケットは払い戻しになり、「無観客はおもろないわ。ビール片手に球場で生で見たい」と残念がったが、試合開始後はドーム内の飲食店のテレビで試合を食い入るように見守っていた。(東谷晃平、新垣卓也、松浦祥子)