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 今夏のスポーツの現場では、例年にも増して細心の熱中症対策が必要となる。新型コロナウイルスの影響による自粛期間が長かったためだ。中学・高校の運動部活動が再開する中、全国で予定されている高校野球の地方独自大会などでの対策を追った。

 高校野球では今夏の第102回全国選手権大会が中止となる一方、各都道府県で独自大会の開催が検討されている。日本高校野球連盟(八田英二会長)は11日に「試合に臨む部員のみなさんへ」と題したメッセージと、練習メニューを紹介する動画などを連盟ホームページにアップした(http://www.jhbf.or.jp/topics/info/200611_1.html別ウインドウで開きます)。

 加盟校の多くは3月から2~3カ月間、部活動を自粛した。再開後の事情は地域などによって異なり、「全体練習再開から1カ月ほどで試合に臨まなければならない学校もある。無理をしたら故障してしまう可能性がある。例年以上に熱中症にも注意して練習することが大切だと考えた」と小倉好正事務局長は説明する。

 動画は再開から4週間の練習メニュー例を、4本に分けて紹介している。講師は18歳以下日本代表監督の馬淵史郎・明徳義塾(高知)監督。「故障や事故なく1カ月で何とか試合できる状態に仕上げることを考えた。チームの目標や事情はそれぞれ。一つの参考にしてもらえたら」と語る。

 熱中症については、甲子園大会のサポートもしている理学療法士の一般社団法人「アスリートケア」が監修し、主に3項目に分けて練習中の予防を呼びかけている。

 ①毎日の体調チェック

 体温、食欲、体重などを記録し、体調不良があれば練習内容を調整する。

 ②水分補給のタイミング

 15~20分ごとにコップ1杯を補給。スポーツ飲料や経口補水液も併用。

 ③体の冷却方法

 効果的な冷やし方、タイミング、時間をイラストや写真を交えて説明。

 アスリートケア代表の小柳磨毅・大阪電気通信大学教授(理学療法学)は「特に1年生は(暑さに慣れる)暑熱順化がうまくできない可能性がある。指導者や先輩が体調チェックを対面で実施するなど配慮して欲しい」と呼びかける。

 大会を運営する各都道府県高野連もこれまで、大型扇風機の設置や気温が高い時間帯の試合回避などの熱中症対策をしてきた。今年はさらに日本高野連が専門家と都道府県をオンラインでつなぎ、感染予防と熱中症対策の講習会を7月初めに開催する予定だ。(編集委員・安藤嘉浩