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 中国全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会は20日、香港で反体制的な言動を取り締まる「香港国家安全維持法案」の概要を公表した。中国が香港に新機関「国家安全維持公署」を設けることや、香港行政長官の任命する裁判官が関連の事件を裁くことなどを盛り込んだ。中国の統制を格段に強化する内容で、高度な自治を認めた「一国二制度」の根幹が揺るぎかねない。

 中国は5月の全人代で決定した国家安全法制の導入方針を踏まえ、柱となる同法案を策定。18日から全人代常務委員会で審議していた。委員会は20日に閉幕し法案は継続審議となった。

 発表によると、法案は6章66条で構成され、▽国家分裂▽政権転覆▽テロ活動▽外国勢力と結託して国家安全に害を与えるといった違法行為の要件や司法手続きなどを規定。香港の法律と矛盾が生じた場合は新法を適用するとの規定もあり、中国側に強い権限を付与した。

 新設される国家安全維持公署は、国家安全に関わる政策について香港政府を監督・指導するほか、自らも国家安全に関する情報を収集・分析し、犯罪を処理できるとした。同公署や中央の国家機関は「特定の状況下で、国家安全に関わるごく少数の犯罪に対し管轄権を行使する」としているが、「特定の状況」の定義は明らかにしていない。

 また、香港政府は国家安全に関わる情勢の分析や政策策定を担う「国家安全維持委員会」を設置する。トップは香港行政長官が務めるが、中国政府の監督を受け、中国が顧問を派遣することも明記された。香港の警察部門や司法部門に関連の犯罪を専門に取り締まる部署も設立する。

 国家安全に関わる事件の裁判は、行政長官が任命する裁判官が処理する責任を持つ。香港の最高裁にあたる終審法院の裁判官は外国人が多数を占めており、これを排除する狙いとみられる。中国返還後も香港が維持してきた独立性の高い司法制度を揺るがす内容だ。

 法案は早ければ6月末にも再び開かれる常務委員会で成立する可能性が高い。(北京=冨名腰隆)

「顧問が牛耳るのは明らか」 倉田徹・立教大教授

 この草案から分かることは、国…

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