修理終えた知恩院の国宝・御影堂、匠の技が至るところに
久保智祥
浄土宗の総本山・知恩院(京都市東山区)の中心建築、国宝・御影堂(みえいどう)の平成大修理が終わった。4月に落慶法要などを終えた後、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため閉門していたが、5月26日から拝観を再開した。江戸時代の建築技術の粋を受け継ぎながら、現代の匠(たくみ)たちの技もいかされた、足かけ9年にわたる修理の成果を目にすることができる。
京都・東山の山麓(さんろく)に威容を誇る御影堂は、1639(寛永16)年、江戸幕府3代将軍、徳川家光によって再興された。総本山の本堂にふさわしく、間口45メートル、奥行き35メートル、高さ28メートルに及ぶ日本屈指の規模の木造建築だ。意匠や技術面の完成度の高さから、江戸初期の徳川家の大造営を示す代表と位置づけられ、2002年に国宝に指定された。
過去には江戸期の寛文、元禄、安永と明治期の4回、大規模な修理がされているが、法然上人(ほうねんしょうにん)800年大遠忌(だいおんき)の記念事業として行われた今回の修理では、建物をいったんほぼ骨組みだけにして傷んだところを直す過去最大規模の半解体修理が2011年から続けられてきた。
最大のポイントは屋根瓦の葺…
【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら