拡大する写真・図版朝倉敏夫さん=滋賀県草津市の立命館大学、長沢美津子撮影

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日韓インタビュー 朝倉敏夫さん(文化人類学者)

 食べるという行為はコミュニケーションと結びついている。主食は同じ白い飯でも、「似て非なる」食の文化を持つふたつの社会。その変容を見つめてきた文化人類学者は、食の交流の可能性を問い直す。(聞き手 編集委員・長沢美津子)

 ――コロナ禍の社会が求める変化は、身近な食にも影響しています。

 「韓国と日本は食の交流が盛んです。キムチは日本の家庭に浸透し、若い人から『サムギョプサル(豚ばら焼き肉)』や『カンジャンケジャン(ワタリガニのしょうゆ漬け)』と好きな韓国料理の名前が次々あがる。消費は地続きです。それが人と人の接触を避けるようにウイルスから迫られてみると、食の別の面が浮き彫りになりました。コミュニケーションとしての食の存在です」

 「日本は料理を1人前ずつ盛り付け、取り箸を使うことに慣れています。いわば「絶縁型」の食事です。一方の韓国は『交流型』。食卓はにぎやかな議論の場になり、囲んだ大皿に自分のさじと箸を付けて口に運ぶなど、互いの距離が密なのです。規制の解除後、ソウルで居酒屋に客が詰めかけたといった報道は、それだけかけがえのないことだったという見方もできます。外から非難だけするのは慎むべきでしょう」

 ――食卓から韓国と日本の社会を長く見てこられましたね。

 「留学生だった1980年から、韓国の全羅南道にある都草島(トチョド)という島で、生活調査のフィールドワークを始めました。住み込んだのは、祖父が日本語を話す3世代農家です。いまでは花模様のシステムキッチンが入っている台所が当時は土間で、かまどでご飯を炊いていました」

 「食事の基本はご飯、汁、漬物…

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