【朝日新聞ポッドキャスト】新型コロナとの戦い 世界の現場から@サンパウロ①
南米で新型コロナウイルスの感染者数が急増しています。中でもブラジルはアメリカに次ぐ世界2位で、確認した感染者の数が1日あたり3万人を超えることも。しかし、これも氷山の一角でしかない可能性があるといいます。サンパウロ支局の岡田玄記者に聞きました。
ポッドキャストでは
感染が拡大するサンパウロのスラム「ファベーラ」。実際に訪ねて見た様子を、岡田玄記者が語ります。
Q なぜ感染者数が急激に拡大したんですか。
A 局面によって違いますが、初期には「金持ちの病気で貧者が死ぬ」と言われました。ブラジル以外の中南米の国々でも同じ言葉が使われています。
ブラジルの場合、最初に感染が発覚したのは2月26日、イタリア北部から帰国した人でした。有名なカーニバルの時期なんですが、富裕層は海外旅行でバカンスに出かけます。人気の旅行先がアメリカやヨーロッパ。その後も、旅行帰りの人から感染が相次いで確認されました。
ところが、最初の死者は所得の低い人たちから出ました。富裕層の暮らしは、家政婦やマンションの守衛が支えています。こうした職業の人でした。
外出自粛が始まると、ここぞとばかりに普段できない修理や、巣ごもりに備えたインターネット開通などの工事も増えました。作業員にも貧困層の人たちが少なくありません。富裕層と接触し、感染が拡大したようです。今は都市の郊外に広がる「ファベーラ」と呼ばれるスラムで、爆発的に広がっていると言われています。
もはや感染経路を追えていな…
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