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 昭和後期から平成にかけて、首都圏を走る京浜急行電鉄から、ことでん(高松琴平電気鉄道)に譲渡された車両を、京急時代と同じ赤色に復活させようと、鉄道ファンらがクラウドファンディングで寄付を募っている。昨年初めて実現し、讃岐の鉄路を「京急カラー」の赤い列車が走っている。

 呼びかけているのは、鉄道ファンの有志団体「ことでん貸切乗車団」。現代表の佐羽内(さばない)勇太さん(34)は神奈川県横須賀市出身で、京急の赤い電車を見ながら育った。香川で車体の色を替えて「第二の人生」を過ごしていると知った。新天地を走る姿に惹かれるなどした京急ファンらで2015年に立ち上げた。

 ことでんは、京急から600形、1000形、700形の車両を譲り受けた。いずれも赤い車体に白帯のデザインが特徴で、京急で長年活躍し、鉄道ファンから京急の代名詞として親しまれた。

 ことでんは車体を黄色とクリーム色(琴平線)、緑色とクリーム色(長尾線)に塗り替え、1070形、1080形、1200形などとして運行している。

 このうち1080形は19年、車両の製造開始から60年を迎えた。佐羽内さんらの団体は「還暦」を祝おうと18年、クラウドファンディングを呼びかけた。目標額を達成し、集まった寄付金を元にことでんは赤地に白帯のラッピングを施し、京急時代さながらの姿がよみがえった。赤い1080形は21年3月まで、1編成が琴平線を運行している。

 今回の新たな寄付の呼びかけは、車両数が多い1200形のラッピングを目指し、850万円を目標額に5月3日に始めた。全国から続々と支援が寄せられ、開始から4日で達成した。

 1070形がことでんで運行を始めた1984年ごろの赤と白の装飾に復活させることも目標に加えた。計1700万円を目指し、すでに1千万円を超す支援が寄せられている。

 ことでんは新型コロナウイルスの影響で運行本数を減便し、乗客数が半減した。担当者は「鉄道ファンが、ことでんにお客さんを呼ぶことを考えてくれるのはありがたい」と話す。

 佐羽内さんは「経営が厳しい会社が多い中、鉄道が本当に好きなら『乗る』以外の行動を起こしたいと思った。鉄道会社とファンの新しい関係をつくりたい」と語っている。

 団体は7月末まで支援を募っている。詳細は(https://readyfor.jp/projects/type1200project別ウインドウで開きます)へ。(二見咲穂)