新人研修、やっぱりリアル 同期の絆、現場感覚はぐくむ
西尾邦明
新人研修はやっぱり「リアル」がいいね! コロナ禍でオンラインに切り替えていたメーカー各社が、現場に戻り始めた。入社式をやり直したり、工場での実習に改めて取り組んだり。在宅では難しかった同期の絆や現場感覚の育成につなげるねらいだ。
空調大手のダイキン工業は19日、2カ月半遅れでリアルの入社式を開いた。井上礼之会長は新入社員528人を前に「同期全員が集い、考えたこと、感じたことが数十年後も、心にずっと残る」とリアルの開催にこだわった理由を説明。「感情や気持ち、雰囲気は対面によって成り立ち、それが深い対話やチームワークにつながる。対面とオンラインの使い分けが今後は重要だ」と強調した。
ダイキンは4月の入社式や5泊6日の合宿を中止。その後も在宅研修を続けてきた。本来は実地で仕事の感覚を養い、同期の連帯や会社の理解も深めるはずだった。だが、今回は動画で学ぶしかなく、どうしても限界があった。そこで5月下旬に緊急事態宣言が全面解除されたことを受け、管理や営業部門に配属される新人も、改めて工場での実習に取り組むことにした。
新卒の宇田菜々子さんは「自動化された製造ラインのスケール感はパソコン画面からは得られない。同期とも気軽に話せて仲良くなれた」と話す。
村田製作所もオンラインで研…