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 ツイッターで他人の投稿を転載する「リツイート」で名誉を傷つけられたとして、元大阪府知事の橋下徹氏がジャーナリストの岩上安身氏に慰謝料など110万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が23日、大阪高裁であった。西川知一郎裁判長は岩上氏に33万円の支払いを命じた一審・大阪地裁判決を支持し、岩上氏側の控訴を棄却した。

 高裁判決によると、岩上氏は2017年10月、府知事時代の橋下氏が幹部職員を自殺に追い込んだなどとする第三者の投稿(元ツイート)について、自らのコメントをつけずにリツイートし、後に削除した。

 高裁判決は、コメントなくリツイートする行為について、元ツイートに社会的評価を低下させる内容が含まれる場合、リツイートによって自身のフォロワー(登録読者)に元ツイートの内容が表示されると指摘。リツイートの経緯や意図、目的を問わず、名誉毀損(きそん)による不法行為責任を負うとの判断を示した。

 その上で、今回の元ツイートが真実とする証拠はなく、当時18万人のフォロワーがいた岩上氏のリツイートは「橋下氏の社会的評価を低下させた」とした昨年9月の一審判決を踏襲した。

 岩上氏側は控訴審で、こうしたリツイートの法的責任を問うことは表現の自由への過度な制約にあたり、ツイッターでの表現活動に強い萎縮を招くなどとする憲法学者の意見書を提出。しかし高裁判決は「投稿内容に含まれる表現が人の客観的評価を低下させるかについて、相応の慎重さが求められる」などと退けた。(遠藤隆史