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 昨年10月の台風19号で広範囲な浸水被害を受けた郡山市では、新型コロナウイルスの「3密」対策を備えた新たな避難所の整備を急ピッチに進めている。感染防止のため、より広い生活空間を確保すると避難所の収容人数が8割減となることが判明。ホテルや私立学校など民間施設にも協力要請を始めた。

 市有施設としては最大規模の避難所である郡山総合体育館(同市豊田町)。市の全部局から集められた職員約120人が11日、「3密」を防ぎながら生活スペースを確保するための手順や、間仕切りや段ボールベッドを組み立てる方法などを確認した。

 入場時の検温や体調確認の手順も行い、体調不良を訴える人を案内する際の工夫なども検討。市防災危機管理課では参加者の意見を集約し、7月に予定する地域の自主防災組織との合同防災訓練の準備を進める。

 一方、コロナ対策として1人当たり約4平方メートルなどこれまでより広いスペースを確保した場合、最大1370人が可能だった郡山総合体育館は8割以上減の224人しか収容できないことが判明した。公民館や市立学校の体育館などの避難所も同様で、収容可能人数の見直しが迫られている。

 台風19号の際は浸水地域を中心に、約4千人が42カ所の避難所に避難したが、コロナに対応した場合は「ほぼ2倍の避難所を開設しなければ収容できなかった」(同課)と分析。自宅から遠い避難所に行くケースが増えざるを得ないという。

 同市では、日大工学部や帝京安積高校と緊急時には学校施設の2階以上に垂直避難ができるよう協定を締結。5月には郡山ホテル協会、6月には市旅館ホテル組合などに協力要請をし、今後も専門学校などの民間施設などにも広げ、新たな避難先の確保を続けていくという。

 また、同市では4月以降、段ボールベッド約1100台、テント約300張り、簡易カーテン200世帯分、非接触型体温計100台などを約1300万円かけて準備した。今後も飛沫(ひまつ)感染防止用の間仕切り(パーティション)や換気用の大型扇風機などの購入を進める。

 同課の市川修課長は「台風19号とコロナ対策で従来の避難とは違う対応、態勢を取らざるを得ない。市民の皆様にあらゆる機会に周知、啓発をして災害に備えたい」と話している。(見崎浩一)