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 新型コロナウイルスの影響に苦しむ飲食店などに客足を取り戻そうと、甲府市の「銀座通り商店街」がアーケードにテラス席を設ける準備を進めている。緊急事態宣言が解除され、工夫を重ねても売り上げは伸びない。規制緩和も追い風に、「3密」を避けた試みに挑む。

 「状況はひどい。毎月数十万円の赤字が続いている。飲食店は、みんな苦しんでいる」

 居酒屋「フラン軒」の石松利行店長は頭を抱える。新型コロナの影響で休業し、3月から昼間だけ宅配のカレー販売を始めたが、焼け石に水だ。

 「若い人は少しずつ戻ってきているが、『おじさん』は不安がっている。元々、人口が減ってだめだった。このままでは終わってしまう」と危機感は強い。

 商店街には飲食店が15軒ほどあるが、状況はどこも厳しい。アーケードを管理する商店街協同組合の中川良治理事長は「店内に人がいると、敬遠してしまう客は多い」と話す。

 現状を打開しようと、商店街は先月から、いすやテーブル、ワゴンを外に出し、テラス席を設ける道を合同会社「まちづくり甲府」と探ってきた。路上営業なら感染リスクを下げられるからだ。

 そこに法律の問題が立ちはだかった。道路を管理する市、警察との協議は思うように進まなかった。

 しかし、国土交通省が今月、新型コロナ対策として、道路法の占用許可基準を期間限定で緩和すると発表。市、まちづくり甲府と共同で、来月にも社会実験として始められるめどが立った。

 アーケードの道幅は約7メートル。計画では、中央部分に約4メートルの歩行スペースを確保し、点字ブロックを邪魔しない配慮もする。ランチ(飲食は午前11~午後2時)とディナー(同午後5時半~10時)の時間帯に限定し、日中は店外でアルコール類を提供しない。清掃にも商店街側が協力する予定だ。

 「アーケードがあるので雨が降っても大丈夫。安心して飲食できる環境が整えば、客足が戻るかもしれない」と中川理事長はスタートを心待ちにする。

 市商工課の担当者は「こうした取り組みは全国の先駆け的な動きになる。条件が整えば他の商店街でも実現できるので、興味があれば相談してほしい」と呼びかけている。(永沼仁)