[PR]

 サッカーJ2・アルビレックス新潟が27日、4カ月ぶりの公式戦に臨む。リーグ戦中断により長期にわたって収入の柱を断たれてきたクラブ経営の現状はどうか。今後のかじ取りの具体策は。再開を前に、是永大輔社長(43)に聞いた。

 ――4カ月もの間ホーム戦が開けず、入場料や会場でのグッズ販売などの収入が断たれた。

 最悪のケースを想定するなかで、倒産という言葉が頭をよぎった。クラブ経営には通常、1カ月で2億円ぐらいかかる。このまま何もせず、リーグ休止が続くと9月や10月には手元資金が不足する。そう考え、4月にはテレビのインタビューで伝えた。

 ――どう対処したか。

 サポーターやパートナー企業の力が大きい。後援会に立ち上げてもらった特別募金は、すでに2500万円に上る。他のクラブと比べても断然、県民の皆さんから多くの注目を集め、期待感を持っていただいている。改めてそう実感した。

 パートナー企業の入金が4月ごろに集中していたことにも本当に救われた。昨年度は経費削減などで約1億7千万円という過去最高益を出したこともあり、何とか持ちこたえてきた。現在は日本政策金融公庫の融資審査を受け、今後の資金繰りに備えている。

 ――再開当初は無観客だが、徐々に入場制限が緩和される見通しだ。

 危機を脱したとは思っていない。J1昇格のチャンスを広げるため、選手の補強にさらにお金をかける必要があるかもしれない。ホーム戦では検温や消毒が必要で、開催費用もかさむ。

 ――チーム状況をどうみているか。

 チームの指揮は監督の役割だ。ただ、今後の過密日程で(選手の疲労に配慮して)メンバーの入れ替えが多くなるだろう。選手の誰もが出番があると予感し、緊張感と競争意識が高まっていると感じる。最後までチームとして一つの塊となっていけば必然的に昇格は見えてくるのではないか。

 ――コロナ禍で、クラブとしての長期戦略に何か見直しを迫られたか。

 海外での何らかの活動を通じて資金を引っ張ってくる計画があったが、しばらく行き来自体が難しいので行程の再検討が必要だ。一方で変わらないのは、クラブの価値を地域と共に創ること。例えば、現在1億5千万円ほどかけているアカデミー(育成組織)への投資は続けたい。新潟出身の選手がアカデミーから海外に出ることがあれば、飛躍的にクラブの価値が高まる。結果的に、世界における新潟の価値が高まる。

 ――今後の経営面の具体的なアイデアは。

 サポーターに楽しんでもらいながら経営にも寄与するような2~3の仕掛けを年内に実行に移したい。詳細はまだ言えないが、例えば、ホームのデンカビッグスワンスタジアムを中心とした改革を考えている。新潟の皆さんの生活のクオリティーを高めるようなことを始められるかもしれない。(聞き手・高浜行人)

     ◇

 これなが・だいすけ 千葉市出身。日大芸術学部卒業後、携帯電話サッカーサイトの編集長などを経て、2008年からアルビレックス新潟シンガポール最高経営責任者(CEO)を務めた。19年1月から現職。

新潟の試合日程

6月27日 甲府(A)

7月4日 金沢(H)

  11日 松本(H)

  15日 町田(A)

  19日 山形(H)

  25日 水戸(H)

  29日 東京V(A)

8月2日 栃木(A)

  8日 大宮(H)

  12日 山口(H)

  15日 岡山(A)

  19日 京都(H)

  23日 琉球(H)

  29日 福岡(A)

(Hはホーム Aはアウェー)