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 島根県雲南市が、移住希望者にオンライン会議システムで空き家の状態などを説明する取り組みを始めた。新型コロナウイルスで県境を越えた移動が制限されたことがきっかけだが、市の担当者は「今後も移住のきっかけづくりに活用したい」と話している。

 「台所の床は取り換える必要がありますが、ほかは大きく手を入れなくても大丈夫です」「どこか詳しく見たい場所はありますか」

 16日午後、3年前まで使われていた大東町東阿用の木造2階建て住宅の様子を、市の移住担当者2人がタブレット端末のカメラで映しながら、東京にいる男性に説明した。相手は東京で広告会社を経営する英国出身のマーティン・ウェブさん(42)。日本人の妻と幼い子ども2人の家族4人で地方への移住を希望し、候補地の一つとして、雲南市の移住サイトで5月中旬から担当者とメールなどのやり取りを続けてきたという。

 約1時間かけて画面越しに見学したマーティンさんは「(午前中に見た)前の物件よりずっといい」と満足した様子だった。移住を希望したのは、「子どもたちを自然の中で育てたい。ふるさとを作ってあげたいと以前から考えていた」との理由からだが、「コロナで仕事がほぼオンライン化して、東京にいる意味があまりなくなった」と、コロナ禍が移住を後押ししているという。

 市うんなん暮らし推進課によると、紹介するのは、市の空き家バンクに登録されている個人所有の物件。コロナ禍を受け、対面での相談が受け付けられず、市の移住関連イベントは軒並み中止になったという。一方、全国規模のオンライン移住説明会に市として参加。今回のような個別のオンライン相談も続けるという。

 同課の桑原真由美さんは「オンラインならいきなり現地に来るより気軽に見てもらえる。担当者の顔を見ながら説明することもできるので、信頼感も生まれ、現地に来てもらうきっかけにつながるのではないか」と話している。

 雲南市の移住関連情報は市の専用サイト「ほっこり雲南定住サイト」(https://hokkori-unnan.jp/別ウインドウで開きます)。オンライン移住相談の問い合わせは市うんなん暮らし推進課(0854・40・1014)へ。(長田豊)