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 コロナ禍で鉄道利用者が激減し、資金繰りが急激に悪化していた銚子電鉄(千葉県銚子市)に対し、政府系金融機関の日本政策金融公庫と地元の銚子信用金庫が計9千万円の新規融資に応じていたことがわかった。これにより当面の資金繰りにめどがついたが、借入金残高が膨らみ、財務内容は一段と悪化した。

 日本政策金融公庫は同電鉄に対し6千万円を融資した。売上高が前年・前々年比で5%以上落ちた事業者に対する緊急制度「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の枠で、上限いっぱい貸し付けた。

 銚子電鉄のメインバンクである銚子信金は3千万円の追加融資に応じた。同信金の松岡明夫理事長は「地域の重要な観光資源を守るため」とコメントした。

 いずれの融資も、数年は返済を求めない据え置き期間を設けているという。

 これにより、同電鉄の借入金総額は約4億5千万円になった。同社の2018年度の営業収益(一般企業の売上高に相当)は、鉄道事業と食品事業を合わせて5億1555万円。今回の追加融資で、借入金残高は年間売り上げ水準に近づいたことになる。

 鉄道利用者の8割超を観光客に頼っている同電鉄は3月以降、新型コロナウイルスの影響で利用者が激減。4月18日には1日の鉄道収入が4480円となったが、都道府県をまたぐ移動の自粛が全国で緩和されて最初の週末だった今月20、21日は、ほぼ例年並みの乗客数まで回復した。

 柏木亮取締役は「海外旅行ができない現在、安近短(安い・近い・期間が短い)志向でお客様が増えている可能性があり、楽観はしていない」と話し、4月11日以降実施している減便措置は今後も続け、夏場の観光シーズンは臨時列車の運行を検討する。(高木潔)