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 新型コロナウイルスが及ぼす打撃は、国際通貨基金(IMF)が当初想定していたより深刻で、長期にわたる見込みとなった。中南米やアジアなどの新興国を、感染拡大と経済の混乱が同時に襲う。新興国と先進国の経済危機が、かつてない規模で増幅し合う世界不況となっている。

拡大する写真・図版インド西部アーメダバードで8日、防護服を着たスタッフがサービスをする美容院=ロイター

 IMFが2020年の成長率見通しを6・4ポイントも引き下げ、4・5%減の経済悪化が見込まれるインド。首都ニューデリーの繁華街コンノートプレースは閑散としたままだ。20年以上、この地で靴屋を営むチョプラさん(54)は22日、朝日新聞の助手に「これほど人がいない街をみるのは初めて。従業員にはやめてもらうしかなかった」と窮状を訴えた。

 インドは3月下旬から全土封鎖(ロックダウン)を続けた。民間調査会社CMIEによると、5月の失業率は都市部で26%に達し、全国で1億2千万人が職を失った。84%の家庭が収入減に直面している。ニューデリーなど都市部で失職した数百万人の出稼ぎ労働者が農村に帰る過程で、感染者が広がった。

 その後、政府は徐々に封鎖を緩め、6月に入るとレストランなどの商業施設が営業を再開。封鎖をこれ以上続けるのは経済的に困難と判断したとみられるが、感染者数の増加に拍車がかかり、6月下旬時点で約45万人と、米国、ブラジル、ロシアに次ぐ世界4位だ。

拡大する写真・図版ニューデリーの繁華街コンノートプレースは人がまばらだった=アビナシュ・アグラワル撮影

 ニューデリー市内のマニシュ・チョードリーさん(34)の食料品店では、売り上げは封鎖前の2割前後まで低迷。店の賃料を払わなければならないような近隣の店は、次々と閉鎖に追い込まれているという。「封鎖は緩められたのに、感染を恐れ、必需品の食料を買うためでさえ外出に慎重な客が多い。感染者数はもっと増えていくので、どれほど状況が悪化していくのか想像もできない」と、今後の不安を口にした。

 打撃が先進国中心だったリーマン・ショックと異なり、コロナ危機は新興国経済も同時に混乱に陥れた。インドでは工場の操業も再開したが、中国からの部品供給が滞って生産に支障が出ている。モディ首相は「コロナによって生産や部品供給を国内で進める大切さがわかった。インドは自立しなければならない」と語り、インド国内で競争力の高い商品を作るためにサプライチェーン(供給網)を整備する方針を示す。

 感染拡大の中心となりつつある中南米などには、危機の前から安定した通貨や財政基盤を欠く国も多い。5月下旬に「デフォルト(債務不履行)」を選び、米機関投資家と債務再編交渉を続けるアルゼンチンは20年、3年連続のマイナス成長に沈み、前年比9・9%減の深刻な不況に陥る見通し。米景気の影響を強く受けるメキシコも10・5%減を見込む。新興国で金融危機が起きれば、世界経済にも波及しかねない。世界150カ国に及ぶ学校閉鎖の影響で、若年層の教育が滞り、中長期にわたって成長力が衰える懸念もある。

 一方、先進国では6月に入り経…

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