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 アルツハイマー病を早期診断する手法を確立するため、国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)などのチームが血液中の関係物質を調べる臨床研究を始める。200人を対象にデータを集め、3年以内の実用化をめざす。また、アルツハイマー病を含む全体の認知症のリスクを血液検査で推定するなどのシステム開発を進めるという。

 アルツハイマー病は「アミロイドβ(ベータ)」と呼ばれるたんぱく質が脳にたまる特徴がある。血液にも含まれるため、血液を調べて蓄積を探る手法が報告されていた。臨床研究では、同センターと東京都健康長寿医療センター(東京都板橋区)、近畿大医学部(大阪府大阪狭山市)の3施設で50歳以上の計200人の血液を採取するとともに、脳内のアミロイドβの蓄積を調べるPET(陽電子放射断層撮影)検査を実施。島津製作所と協力し、血液の分析結果とPET検査の結果を比べて医療現場で使えるようにしていくという。

 そのほか、アルツハイマー病になると脳に蓄積される「タウ」と呼ばれる別のたんぱく質の量を調べる手法や、レビー小体型の認知症について調べる手法などを組み合わせ、5年以内に認知症リスクの把握や早期診断につなげる統合的なシステムの開発をめざす。

 国立長寿医療研究センターの中村昭範バイオマーカー開発研究部長は「統合したシステムができれば、5ミリリットルの血液で認知症がどのくらい進行するか予測できるようになる」と期待している。(木村俊介)