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 同じ民族が殺し合い、500万人以上が犠牲になった朝鮮戦争の開戦から、25日で70年。3年余りの戦火のなかで生き別れた離散家族は高齢化し、長い分断は脱北者という「新たな離散家族」も生んだ。一方、最近は米国と韓国の同盟関係に変化が生まれ、朝鮮半島の安全保障をめぐる環境が揺らぎ始めている。(ソウル=神谷毅、鈴木拓也)

 開戦から半年ほどが過ぎたころ。崔一松さん(82)は日本海沿いの故郷・通川郡から、70キロほど南にある高城の母の実家を訪れていた。雪が1メートルほど積もっていたのを、今でも覚えている。

 故郷も実家も北朝鮮領内にあり、あたりでは南北の軍が一進一退を繰り返していた。ところが実家で戦火を逃れている間に、軍事境界線が故郷との間に引かれてしまった。故郷には祖父母と父母、5人の弟や妹がいた。「韓国軍と国連軍の勢いに合わせて北上し、家族を救い出すことができたかもしれない」と崔さんは今も悔やむ。

 以来、ずっと崔さんは軍事境界線近くの高城で、カメラ販売などをして生きてきた。3人の子供は巣立ち、同じく離散家族だった妻は先立った。

 3階建ての雑居ビルの屋上に、後から増築された小さな部屋で独りで暮らす。韓国で多い違法の建築法だが、家賃が安い。統一したら長男の自分が弟や妹の父母の代わりになりたいと、貯金をしてきた。家や車を買ってあげたい一心で。これからも続けたいと思っている。

 高齢の崔さんは北朝鮮の家族や故郷の話を、目の前にいるように話した。「両親はもうこの世にいないだろう。弟や妹に会いたい。すぐ下の弟の二松は、よくたたいて泣かせたから」

 韓国と北朝鮮は、人道目的で1985年から離散家族の再会事業を始めた。いま韓国政府に登録した離散家族は13万3千人余り。半分以上の約8万人が亡くなった。生存者のうち80歳以上が65%を占める。

 KBSテレビの世論調査によると、南北協力事業への評価を尋ねると、離散家族再会を挙げる声がトップの約52%を占めた。

 休戦中に生き別れた人たちが従来の離散家族だとすれば、約3万5千人の脱北者は新しい離散家族ともいえる。北朝鮮の家族に会いたい気持ちは同じだが、何かが違うようだ。

 数年前に韓国に来た30代の女性は「北朝鮮にいる老いた母に会いたいけれど、すぐにでなくてもいい」と話す。従来の離散家族と違い、携帯電話で母と連絡をとれるからだ。

 どうやって北朝鮮にいる家族と…

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