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 優生保護法(1948~96年)の下で障害のある人らが不妊手術を強いられた問題で、日本医学会連合の検討会(座長・市川家國信州大特任教授)は25日、医学・医療関係者が「問題性を放置してきたことは誠に遺憾」として責任を認める報告書をまとめ、被害者へのおわびを求めた。ただ、内容は新事実に乏しく、さらなる実態解明が必要だ。

 日本医学会連合は136の学会が加盟する国内最大の医療系の学術団体。報告書を受け取った門田(もんでん)守人会長は「二度と類似したことが起きないようにするのが我々の責務だ」と述べた。

 同法は「優生思想」に基づき、医学界も制定や運用に深く関わった。戦後の人口急増や食糧難で出産を制限する動きが広がる中、遺伝的に優れた人が出産を控え、その結果劣る人が増えるとする「逆淘汰(とうた)」への懸念が強かったことが背景にある。

 同法は96年に母体保護法に改正され、強制手術などの規定は削除された。だがその間、厚生労働省によると、不妊手術を受けた人は約2万5千人にのぼり、うち約1万6千人は本人の同意によらない強制手術だった。

 2019年に被害者に一時金を支払う救済法が成立し、安倍晋三首相がおわびの談話を発表。検証を求める声が強まる中、同連合が19年4月に設けた有識者による検討会が、被害者や研究者ら10人以上に聞き取って、議論を重ねてきた。手術をした医師への聞き取りの有無は明らかにしなかった。

 報告書では、医学界の関わりを整理し、「医学界全体としての(強制手術に反対する)動きはなかった」と指摘。欧米では70年代に強制手術に関する法律が廃止されたことに触れ、日本の医学界は「反省が希薄であったと言わざるを得ない」と指弾した。

 さらに、法改正後に被害救済に向けてすぐに行動を起こさなかった問題を挙げ、「深い反省と、被害者と関係者に対し心からのおわびの表明」を求めた。また、胎児の段階で染色体異常などを調べる出生前診断や、遺伝情報を変えられるゲノム編集が非倫理的な方向に進まないよう「多方面からの検討が必要」と指摘。社会的に影響が大きい問題に遭遇した際は、学会を横断して検討できる組織をつくることを提言した。

■検証や対応が波及…

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