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 戦後日本を占領したGHQ(連合国軍総司令部)が国内で接収した金や銀を原資とする、国の秘密資金を提供します――。そうかたって、交渉費用名目で会社経営者の男性から1億3千万円をだまし取ったとして、神奈川県警が6月、3人の男を詐欺の疑いで逮捕した。男性が男らに振り込んだ総額は約31億円に上る。こうした詐欺は過去にもたびたび起きていて、GHQ経済科学局長だったマーカット少将の名前から、「M資金詐欺」と呼ばれる。捜査関係者への取材で、その実態が明らかになった。

 2017年9月、皇居の目の前にあるビルの1階会議室。スーツ姿の2人の男と、神奈川県内に住む70代の男性が向き合っていた。「GHQが接収した金銀を原資に2800億円を提供できる」。男たちは男性にそう説明した。

 男性は、ほぼ一代で東証1部上場を果たした企業経営者。過去にも似たような話が持ち込まれたが、どれも「交渉できる人を知っている人を紹介する」という間接的なものだった。ところが目の前の男たちは直接交渉できるという。「ついにここまでたどり着いたか」と、秘密保持の契約にも署名した。

 「交渉のための費用が必要」と言われ、ビル内に事務所があるという団体の口座に1億3千万円を振り込んだ。その後も繰り返し要求され、18年12月までの1年3カ月間に計10回、総額約31億5千万円を支払った。

「特別の資金」。男は提供する金についてそう説明した。上場企業の経営者をも信じ込ませたM資金詐欺の手口とは――。

 交渉の舞台となった一等地のビ…

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