在宅勤務が続き「リモート太り」 どうすれば、やせる?
コロナQ&A(運動編) 回答:久野譜也・筑波大学大学院教授(健康政策)
新型コロナウイルスの感染を防ぐため、多くの人が自宅で過ごす時間を増やした結果、体を動かす時間は減りつつあります。コロナ禍での運動をめぐる様々な悩みを、どうすれば解決できるのか。記者が尋ねました。
Q 新型コロナウイルスの感染防止対策として、自宅で働く「リモートワーク」が採り入れられてから、体重が増えた気がします。「リモート太り」を解消するポイントを教えてください。
A 通勤の際や勤務中の歩行がなくなった影響で、「リモート太り」を気にする人は少なくないようです。都内の企業の社員を対象にした共同調査では、3月の1日平均の歩数が、1~2月と比べて約30%減少していたことがわかりました。食事の量が運動の量を上回れば、余分なエネルギーが脂肪として体内に蓄えられます。リモート前と同じ量を食べ続け、歩行数が減れば体重が増えます。
同じ量の脂肪や糖質を摂取するとしても、食物繊維が豊富な野菜の後に摂取した場合は、前に摂取した場合と比べて、脂肪や糖質の吸収量が少なくなるという調査結果があります。目の届くところに食べ物を置かない工夫も効果的です。
かつては、運動で脂肪を消費するには、運動を20分以上続ける必要があると言われていました。しかし最近の研究では、短い時間に小分けにしても、合計が20分以上になれば同じ効果があるとわかっています。
歩行は身近な運動方法で、スマホのアプリや歩数計で歩数を計測すると効果的です。1日8千歩が推奨されていますが、いきなり無理することはありません。少しずつ増やしていきましょう。
雨の日や調子の悪い日は無理をせず、天気が良い日や調子の良い日に歩きだめをするとよいでしょう。1週間の平均が8千歩ならば、毎日8千歩と効果は同じです。(構成・忠鉢信一)
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くの・しんや 1962年生まれ。筑波大学大学院教授(健康政策)。高齢化社会の問題に取り組み、科学的根拠に基づいた健康政策の構築を目指す。スポーツ審議会委員。
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