プロ初先発の広島・遠藤、千賀になりきれずに成功!?
藤田絢子
プロ野球広島の高卒3年目・遠藤淳志投手が25日、巨人戦(東京)でプロ初先発した。ソフトバンクの千賀に師事して、いい意味で失敗した右腕。白星が期待されたが3失点を喫し、五回で降板した。
茨城・霞ケ浦高出身の遠藤は、昨年6月7日のソフトバンク戦で中継ぎとしてプロ初登板を果たした。184センチの長身から伸びのある直球やカーブなどの変化球を投げ、デビューから10戦連続無失点で切り抜けるなど、34試合に登板。1勝1敗1セーブを記録した。
先発転向を目指していたオフには、ソフトバンクのエース千賀滉大と練習をともにする機会を得た。もう一段レベルアップを図ろうと、千賀のようにセットポジションから投じるスタイルに変更。ところが、本来の躍動感が消えてしまった。
春季キャンプでその姿を見た佐々岡真司監督は、「千賀君の名を出すのは千賀君に失礼」。普段は温厚で知られるが、珍しくばっさりと断じた。それも1軍投手コーチだった昨季から、右腕の能力の高さを認めていたからこその言葉だった。
これで、腐らなかったのが遠藤のすごいところだ。ワインドアップから投じる以前の投球に戻し、調整を続けた。「1日1日が勝負」と話していた右腕は、開幕前の練習試合で結果を残し、ローテーション入りをつかんだ。
この日は、1点リードの五回1死一塁、巨人・坂本に変化球を左中間席に運ばれ、逆転を許した。(藤田絢子)
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