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 河井案里容疑者の後援会長を務めた女性町議が、夫の克行容疑者から「安倍総理から」と言い添えられて、現金30万円を受け取っていたと証言したことを受け、自民党内からは党への信頼低下を懸念する声が相次いだ。

 石破茂・元幹事長は25日の派閥会合で、克行容疑者から現金を受け取ったとする証言が次々と明らかになる現状に「事実だとすれば、こんなものは見たこともない」と批判した。「(買収の)原資が税金であり、党費であれば、党費払って党員増やしてちょうだいということには理解が得られない」とも語った。自民党中堅は「世の中的にはそれが原資だろうと結びつけて考えられてしまう」と述べ、疑念が深まったとの見方を示した。

 一方、菅義偉官房長官は25日の記者会見で、昨夏の参院選で案里容疑者の陣営に自民党本部から支出された1億5千万円が、買収資金に使われた可能性について「捜査中の件であり、政府としてはコメントすべきではないと思う」と回答を避けた。

 二階俊博幹事長はこれまで、党本部の公認会計士が各支部の支出を厳格にチェックしており、買収には「使えない」と説明し、安倍晋三首相や菅氏も同様の見解を示している。菅氏は会見で「お金に色は付いていないのになぜ言い切れるのか」と重ねて問われ、「二階幹事長が説明されたことで、党内の話であり、私自身は詳細は承知していない」とだけ語った。

 野党からは、安倍首相に説明責任を求める声が出た。共産党の志位和夫委員長は25日の記者会見で「首相本人に疑いがかかっている。予算委員会で直ちに調べて、首相が出席して、この問題についての説明を果たすことを強く求めたい」と述べた。(河合達郎、岡村夏樹)

【動画】記者の質問にこたえる河井克行・前法相、河井案里・参院議員=斉藤太郎、林敏行撮影