コロナで講演中止でも、93歳がZoomで伝えたいこと

沖縄はいま

高木智子
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 太平洋戦争末期の沖縄戦に関するオンライン講演会が27、28日開かれる。看護要員として動員された93歳の女性らが体験を語る。女性は「私は生き延びることが出来た。とにかく伝えたい」と話している。

 主催は「戦場体験放映保存の会」(東京)。2004年に発足し、太平洋戦争を体験した旧日本兵と民間人ら2800人の証言を映像などに収めてきた。

 沖縄での聞き取りは08年から9回、180人分を収録した。15年以降は東京、大阪、沖縄で体験者を囲む会合を重ねてきた。戦後75年の今年は、東京での開催を模索したが、コロナ禍で断念。テレビ会議システム「Zoom(ズーム)」を活用することにした。

 初のオンライン講演に臨む沖縄県恩納(おんな)村の上原米子さん(93)は看護要員で動員された「なごらん学徒隊」の一人。陸軍の野戦病院で負傷兵らを看護した体験や逃げる時の過酷な体験を語る。6月23日の「慰霊の日」を控える5、6月は例年なら講演の連続だったがコロナで中止に。「一回一回が全力です。多くの人に聞いてもらいたい」と話す。オンライン講演は家族が支える。

 上原さんは28日午後3時半から。ネットが使えない場合は都内の会場で視聴できる。27日午後2時と28日午後1時半からは、米軍に追い詰められて祖母が自死した男性ら2人(1人は故人の証言を過去に収録した分)の証言を視聴できる。

 視聴は保存の会ホームページから要予約(http://www.jvvap.jp/okinawa2020.html別ウインドウで開きます)。無料。保存の会の田所智子さんは「この企画で戦争の実像に触れ、考えていく新しい機会にしたい」。問い合わせは同会(090・2165・0220)。高木智子

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