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 米連邦準備制度理事会(FRB)は25日、米国に拠点を置く日米欧などの大手金融機関の健全性を審査する「ストレステスト」の結果を公表した。新型コロナウイルスの影響を厳しく見積もった想定でも、全体としては自己資本の最低基準を満たしていた。

拡大する写真・図版ワシントンにある米連邦準備制度理事会(FRB)=AP

 ストレステストは、金融危機への反省から2010年に成立した金融規制強化法(ドッド・フランク法)に基づく特別検査。三菱UFJフィナンシャル・グループの米国金融持ち株会社や、欧州金融大手の米国法人なども対象となる。今回はコロナ危機を踏まえ、景気が急回復する「V字形」、低迷が長引く「U字形」、20年後半に感染の第2波が起こる「W字形」の三つの想定について分析した。

 個別の金融機関の財務状況は公表されなかったが、検査対象33社全体の自己資本比率は、19年10~12月期の12・0%から、22年1~3月期までに「V字形」で9・5%、「U字形」で8・1%、「W字形」で7・7%まで落ちる。いずれも米当局が求める最低水準(4・5%)を満たしているが、U字形とW字形の場合、「いくつかの」金融機関は最低水準に近づくという。リーマン・ショック後の金融規制の強化で、近年の米金融大手の財務状況は安定していた。

 また、FRBなどの監督当局は25日、ドッド・フランク法による金融取引規制を一部緩和する案を最終決定した。米銀がリスクの比較的少ないベンチャーキャピタル・ファンドなどに出資しやすくなる方向だが、「とりわけコロナ危機のさなかに規制緩和を急ぐ理由はない」(ブレイナード理事)との反対意見も挙がった。10月から実施する。(ワシントン=青山直篤)