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 JR東海のリニア中央新幹線の開業が、目標の2027年から遅れる見通しが強まった。総事業費は大阪まで含め9兆円。巨大事業に待ったをかけたのは、環境への悪影響を心配する静岡県や大井川流域の自治体だ。開業を待ち望む沿線や、後押しする政権にも誤算となりかねない。

 リニア新幹線の「静岡工区」をめぐって初めて実現したJR東海と静岡県のトップ会談。2人きりで約1時間20分にわたってインターネットで生中継される異例の会談は、なごやかな雰囲気で始まった。

 「大井川の水でつくられたお茶です」。途中、川勝平太・静岡県知事は金子慎・JR東海社長に県名産の茶を勧め、そう説明した。県は工事で大井川の水量が減ることに懸念が強いことを伝える演出だ。JR側の説明を一通り聞くと「水の問題をおろそかにしないと聞いて安心した」と述べたが、最後まで溝は埋まらなかった。金子社長は準備工事の着工を繰り返し求めたが、川勝知事は話題をそらすような場面も目立った。

 終盤になってようやく、県の条例に基づく協定を結ぶことが着工の条件と説明。これをJR側は前向きな発言と受け止めた。金子社長は会談後、「大変有意義だった」。協定締結に向けた手続きについて「スムーズに進むようなら今日の目的はかなえられた」と歓迎した。

 ところが会談後、報道陣の取材に対し、川勝知事は工事着手について「とんでもない」と認めない考えを明確にした。県の事務方も協定について「現時点で結べる状況ではない」として月内の着工は不可能と説明。「27年開業」を掲げてきたJR東海へ、事実上の「延期通告」となった。

東京五輪後の目玉事業とされてきたリニアの27年開業の雲行きが怪しくなっています。3大都市圏を結ぶ大計画が遅れれば、負の連鎖も起きかねない状況です。

「JRは上から目線」と指摘も

 静岡県の懸念は工事現場が水源…

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