コロナワクチン、12~18カ月で実用化目指す WHO
ウィーン=吉武祐
世界保健機関(WHO)は26日、新型コロナウイルスに対処するため、欧州連合(EU)やビル&メリンダ・ゲイツ財団などと立ち上げた枠組み「ACTアクセラレーター」でワクチンの開発を加速させ、12~18カ月での実用化を目指すと発表した。
この枠組みが目標に据えるのは、検査と診断の普及、治療薬とワクチンの開発と普及、各国の保健システムの整備。このうち治療薬に関しては、英国の医療研究支援団体ウェルカム・トラストなどが協力し、1年以内に2億4500万人分を供給して中低所得国に分配することをめざしている。また、ワクチンも開発期間の短縮のほか、2021年末までに20億本を世界で公平に分配しようとしている。
WHOの主任科学者スーミャ・スワミナサン氏は記者会見で、ワクチン開発は15件が治験の段階にあり、最も進んでいるのは英アストラゼネカ社で、米モデルナ社も近いところにいると説明。WHOは中国やインドを含む多くの製薬会社と協力していると述べた。
目標達成のためには、総額313億ドル(約3兆3500億円)が必要で、うち調達されたのは34億ドルだという。27日には、欧州連合(EU)が中心となって資金を募る会合が開かれる。(ウィーン=吉武祐)

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