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 新型コロナウイルスの感染拡大で県高校体育大会が中止になり、県高校体育連盟の各競技の専門部は、代替大会を開催するかどうかで判断が分かれた。32競技のうち半数は、3年生の最後の舞台をつくりたいと開催する予定だ。しかし、半数は万全な対策をとっても感染などのリスクがあるとして、開催を断念した。

 32競技の専門部などに取材したところ、開催する方向のカヌーを含め16競技が、代替大会か記録会を行うことがわかった。

 ソフトボールは7月23日から4日間、県大会を開催する。コロナ対策で宿泊を伴わない形にするため、日帰りしやすい郡山市を会場に選んだ。ベンチ内が密集するのを避け、ベンチの外でも選手が待機できるようにする。選手の整列でも間隔を空ける。

 郡山北工高の男子は、出場予定だった3月の全国高校選抜大会が中止となった。全国高校総体でもベスト8入りを目指していた。主将の佐藤唯人さん(18)は「高校総体がなくなったときは、言葉にならないぐらいショックで、このまま引退かと思った。この大会はやるからには優勝を目指したい」と意気込む。

 ソフトボール専門部の委員長を務める同高の大森史仁教諭は「3年生はこの大会でけじめをつけ、次のステップに向かってほしい」と話す。

 開催していた大会を代替大会にする競技もある。陸上は成人も参加する県選手権と兼ねる形で、8月17日から県大会を行う。5地区の予選は実施するが、県大会の出場選手は各種目とも例年の半分以下に絞る。

 水泳は9月下旬に代替大会を開く。県中学校体育大会が中止になった中学生も出場できるようにする計画だ。馬術は11月に行われる新人大会と兼ねて大会を実施することにした。馬術専門部の穴澤道弘委員長(岩瀬農高)は「公式戦の扱いで表彰もする。3年間の成果を出してほしい」と話す。

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 開催を決めた各専門部も、さまざまな感染対策をとる。ソフトテニスは8月1、2日に3年生だけに限る県大会を開催する。参加者を3分の1に抑え、宿泊もしない。ペアを組めない3年生がいる場合は下級生の出場も認める。またアーチェリーやライフル射撃は、競技する選手間の間隔を通常より広げて「密」を避ける形で大会を開く。

 県大会や地区大会の開催は無理でも、何とか3年生に最後の機会をつくろうとする競技もある。重量挙げは8月1日に記録会を開催する。なぎなたは、各校の選手を集めた発表の場を設けられないか検討している。

 空手道は代替大会は開催しないが、形(かた)の動画を送って参加する全国大会の形グランプリが開かれる。昨年の全国高校総体に団体と個人で出場した学法福島高は、3年生12人が動画を送った。顧問の松原光校長は「少し戸惑いもあったが、大会と変わらない真剣な表情で演技をしていた」と話す。代替大会のないフェンシングでも全国大会の計画があり、川俣高の選手が出場する予定だ。

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 一方、半分の16競技は代替大会の開催を諦めた。特に柔道やレスリング、剣道、相撲など相手と組み合ったり近くで対戦したりする競技は、練習や試合で「密」の状態が生じてしまうこともあり、開催を断念した。

 剣道では選手がかけ声を出すことが多く、飛沫(ひまつ)が飛ぶ。このため、面の下にフェースガードとマスクをして対策をとる。しかし、息苦しくなり熱中症の危険性が増すという。

 剣道専門部の有賀久芳委員長(安積高)は「全日本剣道連盟からも他チームとの交流を当面の間、自粛するよう指示が出ており、練習試合もできない状態」と話す。

 鹿児島国体の延期も決まり、引退した選手も多い。しかしサッカーとバスケットボールは、全国高校選手権の県予選が秋にある。代替大会は開催されなくても、3年生がまだ活躍できる競技もある。(田中基之)