映画「もち」公開 一関を舞台に人と地域のつながり描く
岩手県一関市を舞台にした映画「もち」の公開が一関シネプラザで始まり、27日、小松真弓監督と主演した同市在住の佐藤由奈さん(17)らが舞台あいさつした。同市本寺地区の住民が数多く出演。地域の文化と人々のつながりが暮らしの中で継承され、育てられていく様子が描かれている。
一関地方では祝い事だけでなく、年に50回とも言われる季節や暮らしの節目に、もちをついて食べる習慣が残る。
撮影は2017年4月から18年3月まで、本寺地区などで行われた。閉校した本寺中学校の最後の卒業生、佐藤さんらの1年間をドキュメンタリーのように追いながら、もちをキーワードに物語が展開されていく。田園風景が残る本寺地区の四季のうつろいを背景に、伝統芸能「鶏舞(とりまい)」に取り組む中学生、家族で何げない会話をしながら行うもちづくりの場面も挿入され、人が人を思いやるシーンが印象的に描かれる。
舞台あいさつで小松監督は「東京では人と人のつながりが薄くなってきている。こういう日本がきちんと残るといいなと思い、撮りました」と話した。佐藤さんは今、一関高専の3年生。「よその地域の人が見て、『いいな』と思ってもらえたら」と話した。
映画は61分、マガジンハウス・TABITOFILMSの製作。一関シネプラザでは7月16日まで上映予定。東京、大阪などでも公開される。(泉賢司)
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