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 そのブドウは、一粒直径31ミリ以上と大ぶりで、糖度は18度以上と濃厚な甘さを持つ。何よりルビーを想起させるその紅色の表面が美しい――。石川県が14年かけて開発に成功した新品種「ルビーロマン」は、間違いなく北陸の宝物だ。

 ……と書いたのだが、恥ずかしながら、実は記者はまだ食べたことがない。値段が高すぎてなかなか手が出ず……。昨夏の初競りでは一房120万円で落札され、店舗でも1房2万~3万円。気軽に買える代物ではないのだ。

 だが今回、ブドウの誕生秘話を知るや、たちまちその果実にひかれていった。

400粒の種まき、育ったブドウの木1本に

 砂丘地の多い石川県は、かつて小粒のデラウェアの産地だったが、1990年代に巨峰の台頭で消費が伸び悩み、県は新品種の開発を余儀なくされた。94年に自然交雑で採取した「藤稔(ふじみのり)」という黒色の大粒ブドウの種を、翌年同県かほく市にある県農林総合研究センター所有の圃場(ほじょう)に400粒をまいた。

 2年後――。発芽した40本の木の中で赤い実をつけた4本のうち、さらに1本に、とりわけ大粒なブドウができた。しかも味は、酸味やえぐみがない上、甘みが強くて上品――。「宝くじで一等を当てる確率だ」と中野眞一・県農業試験場中央普及支援センター担当課長は語る。

忍耐の日々実り、都心や海外へ

 ただ奇跡に恵まれながら、初出…

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