拡大する写真・図版移住仲介業者の張湘玲社長。事務所の掲示版で、手続きを支援した香港人の事例を紹介している=2020年6月5日、台北、西本秀撮影

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 香港国家安全維持法の導入などで中国が香港への政治的な締め付けを強めるなか、台湾移住を希望する香港人が急増している。蔡英文(ツァイインウェン)総統は積極的に受け入れる意向だが、専門技術や経済力のある高度な人材が優先されている実情もあり、審査は「狭き門」となっている。

仲介業者に問い合わせ4倍

 台北と香港に事務所を置く仲介業者「宝島移民顧問」では、香港での反体制的な言動を封じる国家安全法制導入の動きが表面化した5月下旬以降、問い合わせが以前の4倍に増えた。

 同様の仲介業者は台湾に約20社あり、別の業者も1日50件前後だった問い合わせが6月に入って200件前後に増えた。香港の検索サイトでも「移民 台湾」のキーワード検索が普段の7倍に上昇。「宝島」社の張湘玲社長は「生活習慣の違う欧米より暮らしやすいと考え、台湾を選ぶ例が目立つ」と話す。

 香港人の台湾移住には医師や弁護士らが対象の「専門技術移民」や、600万台湾ドル(約2100万円)以上の資金で事業を興す「投資移民」の制度などがある。この制度で居留許可を得た香港人は最短1年で台湾籍を取得できる。

 移民希望は香港で抗議デモが広がった昨年から増えた。台湾の移民署によると、2019年に居留許可を得た香港人は留学なども含めて5858人で前年より約4割増。今年も4月末までに2383人で前年同期の計948人の2・5倍だ。

拡大する写真・図版移住仲介業者の掲示版で紹介されている台湾に来た香港の人々。台湾の身分証やパスポートを手にした写真を並べている=2020年6月5日、台北、西本秀撮影

 蔡氏は5月末、「香港人への支援を強化したい」と表明し、7月から受け入れ窓口となる専門組織を立ち上げる。抗議デモにかかわったことで迫害される恐れのある人を、一部特別に受け入れる構想もある。

 しかし、張氏によると、同社が扱う案件のうち実際に移住が認められるのは約3割。「40代以下で海外留学や起業の経験のある人々が優先されている」のが実情で、ハードルは低くない。台湾当局の担当者も新組織について、「第一の目標は香港資本や専門家が台湾に来ることを助け経済発展に参加してもらうこと」と説明する。

■台湾側に警…

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