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 ツイッター上の検索で10年近く前に自身が逮捕された記事の一部が表示され人格権を侵害されたなどとして、東日本の男性が投稿の削除を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(野山宏裁判長)は29日、ツイッター社に削除を命じた一審・東京地裁判決を取り消し、男性の請求を棄却した。

 判決はまず、ツイッターの位置づけについて、全世界で6番目にアクセスが多いサイトであり、トランプ大統領をはじめとして各界の著名人も利用することなどを踏まえれば、「現代社会で情報流通の基盤として大きな役割を果たしている」と指摘。投稿の削除を請求できるのは「誰でも閲覧できる状態を続ける必要性などと比べ、公表されない法的利益が明らかに優越する時に限られる」と述べ、2017年の最高裁決定が示したグーグルなどの検索サイトでの削除の判断基準を踏襲した。

 その上で、原告の男性が逮捕されたのは、のぞき目的で女湯の脱衣場に侵入した容疑で「決して軽微な犯罪ではない」とし、公益目的で投稿されたと判断。グーグルなど一般の検索サイトでは既に逮捕歴が表示されず、男性が不利益を受ける可能性が低下していることも考慮し、「削除する利益が明らかに優越するとはいえない」と結論づけた。

 昨年10月の一審判決はツイッターが「情報流通の基盤になっているとまではいえない」などとして、削除のハードルがグーグルなどの検索サイトより低いと示した上で、削除を命じた。(新屋絵理)