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 鹿児島県大崎町で1979年に男性(当時42)の遺体が見つかった「大崎事件」の再審請求で、弁護活動の費用を募るクラウドファンディング(CF)で目標の2倍を超える1240万円が集まった。呼びかけ人の映画監督・周防(すお)正行さん(63)らが29日、都内で会見を開いて発表した。

 「たくさんの寄付に驚いたし、励ましそのものに勇気づけられた。感謝しかない」。周防さんは弁護士の手弁当になりがちな再審の応援だけでなく、証拠開示の仕組みがないなど再審制度の不備も知ってもらいたくてCFを始めた。「寄付を呼びかけたことで、多くの人に事件や再審の現実を知っていただいた。CFは(あまり知られていない)再審をみなさんのものとして感じてもらう重要なツールになる」と語った。

 CFの呼びかけは3月24日、支援サイト「READYFOR(レディーフォー)」で始めた。殺人罪などで懲役10年の判決を受けて服役した原口アヤ子さん(93)の4度目の再審請求について、6月16日までに500万円を集めると目標を設定。弁護活動の報告をリターンとして寄付を募り、達しなければ全額を返す条件になっていた。

 弁護団によると、1240万円は期間限定で裁判費用を募るCFでは史上最高額。寄付した805人のうち725人は1万円以下の「小口」で、裾野の広さが特徴だったという。鴨志田祐美弁護士は集まった資金について「(再審開始のための)新たな証拠を出すために使うだけでなく、公言通りに再審の法制度を変える広報活動にも使わせていただきたい」と話した。(阿部峻介)