夢と消えた27兆円の経済効果 問われる五輪後の首都像
斉藤佑介 長野佑介
ちょうど1カ月後、56年ぶりの東京五輪が開幕するはずだった。6月24日昼、88店が軒を連ねる東京・浅草の仲見世商店街。和服姿や日傘を持った人たちが参道を行き交うなか、外国人観光客の姿は、ほとんど見られなかった。
「7月で店を閉めるんです」。老舗菓子店「評判堂」店主の冨士滋美さん(71)は店先でつぶやいた。名物のおかきを作る職人が減り、後継者もいない。猛威をふるった新型コロナウイルスが、創業130年を超える店を閉じる決断を早めた。
緊急事態宣言が出された4月7日から、商店街の多くは休業した。評判堂は5月中旬に営業を再開したが、売り上げは減り、前年の1割に満たない日が続いた。
地元では五輪に向け、昨年か…

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