案里氏、資産報告で貸付金3千万円を追加 借入金も減額
30日の所得公開に合わせた資産の補充報告で、公職選挙法違反(買収)容疑で逮捕された河井案里参院議員(46)=自民党を離党=は、貸付金3千万円を新たに報告した。借入金は2800万円だった。同じく逮捕された夫で前法相の克行衆院議員(57)=同=は、借入金を以前より減らし1973万円になったとした。
国会議員は、選挙の当選時や政務三役就任・辞任時に所有している不動産や金銭の貸し借りといった資産の報告のほか、1年間に新たに資産を所有した場合には年末時点の資産の報告を義務づけられている。
案里議員は参院選で当選した2019年7月時点の資産として、普通自動車以外は定期預貯金のほか貸し借りなどはないと報告。克行議員が法相になった同9月の時点でも同じだったが、克行議員が同年10月に法相辞任した際の報告で、法相就任時に借入金が2900万円あったと訂正された。訂正の理由について、克行議員の事務所は当時「事務的なミスで漏れていた」としていた。
30日に公開された案里議員の資産は19年12月末時点のもので、借入金は100万円減っていたものの、3千万円の貸付金が新たに加わった。貸付先は現時点では不明だが、政治活動に使った場合は、今秋に公開される政治資金収支報告書に記載される可能性がある。
一方、克行議員は17年10月の衆院選当選時、自宅マンションや普通自動車とともに、3523万円の借入金を報告。借入金は法相就任時に2206万円、法相辞任時には2144万円へと減っていた。
河井夫妻は、参院選での票の取りまとめを依頼する趣旨で、計約2570万円を地元議員ら計94人に渡した疑いで東京地検特捜部に逮捕された。買収資金の出どころが焦点の一つになっている。
また、カジノを含む統合型リゾート(IR)事業をめぐる汚職事件をめぐり、収賄罪で起訴された秋元司衆院議員(48)=自民党を離党=も、500万円の借入金を報告した。秋元議員の事務所は、借入金の理由について「説明いたしません」と回答した。
公設秘書が選挙区内の有権者に香典を渡していたなどと報じられ、昨年10月に経済産業相を辞任した自民党の菅原一秀衆院議員(58)=公選法違反の疑いで告発されたが、不起訴処分(起訴猶予)=は、1350万円の貸付金を報告した。菅原議員の事務所は朝日新聞の取材に対し、「活動費用として選挙区支部に貸し付けた」と説明した。(保坂知晃、井上昇)
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